靴下の仕様と素材の話。
とても小さい世界だけど、
実はたくさんの仕様やこだわる部分、
考える事がたくさんあります。
靴下には必ず、フィット感がないといけません。
デザイン以外の機能的(履き心地)が
兼ね備えられていないといけないので、
ものづくりの感覚は、
どこかアウトドア製品と似ている。
靴下は「表糸」と「裏糸」で編み立てられています。
裏糸がフィット感を出す大事な役割をしていて、
名前の通り表には出ない。
表糸が決まっても、どんな裏糸の番手を合わせるか、
この2つの糸のバランスがとても大事。
あとは、「ゴム糸」。
口ゴム部分やサポートを入れる為にゴム糸を入れて、
表糸・裏糸・ゴム糸の3種の糸でほとんどの靴下が
作られています。
様々な種類の糸で編み立てする為、
表糸がウール100%の糸で作ったとしても、
裏糸のカバーリング糸がポリエステル・ポリウレタンや、
ナイロン・ポリウレタンを使用する為、
どうしても組成表示の混率が複雑になる。
登山靴下を作る条件として、ウール素材は必須でした。
ウールの良さはたくさんお伝えしてきましたが、
デメリットももちろんあって、一番はピリング(毛玉)。
お気に入りの靴下がすぐ毛玉だらけになってしまうのが
私も靴下好きとして、どうしても気になる。
そこで出会った素材が日本のウール紡績
一貫メーカー日本毛織(株)さんが
独自開発されたNIKKE AXIO®︎というウールとナイロンの混紡糸。
ただの混紡糸ではなく、
紡績方法が特殊の紡績方法をしており、
ウールの風合いをかき消さないよう、
両方の素材が生かされるよう紡績されています。
ナイロンの糸が入る事により、
着用時の摩擦などへの耐久性がUP。
ウール100より毛玉ができにくくなっています。
高山植物図鑑靴下・組成表示の内容
wool 53% ・・・ 表糸
nylon 32%・・・ 表糸・裏糸・補強糸
(補強糸=パイル目部分に+1本ナイロンの糸を入れて強度をよりUPさせています)
polyester 12%・・・ゴム糸のカバーリング糸
polyurethane 3%・・・裏糸の芯糸(ポリウレタン)
※ポリウレタンがフィット感を出す大事な役目をしています
その他の靴下でも、組成表記に素材がたくさん書かれていると
思うので、ご参考に見てみてください。
靴下によって裏糸の素材も様々あるので、ご参考まで。
pic/
夏の燕岳で出会ったハクサンフウロ
色が可愛くて好き
Comentários