靴下の仕様の話。
ちゃんと登山靴下としての機能を果たす為に、
素材以外の仕様に関しても、しっかり登山仕様で作りました。
ガチガチなアウトドアぽい仕様の見た目は
普段のファッションには合わせにくいので、
見た目は普通だけど、仕様はアウトドアのイメージ。
ファッションとは違って、
アウトドアで使うもの(ギア)は全てに理由があって、
ファッションよりも答えが明確にある気がする。
使う用途もとてもはっきりとしている。
靴下も大切なギアの一つ。
「山で可愛い靴下を履きたい」理由が第一優先でしたが、
可愛いだけではないちゃんと登山靴下としての機能を
果たしているか、という点もとても重要ポイントとして作りました。
たくさんこだわったポイントはあるのですが、
中でも最もこだわったポイントを5つご紹介。
POINT1 −薄手のパイル編み仕様−
登山靴下を選ぶポイントは、
靴に合った厚さの物を選ぶ事がとても大事だと思います。
これは登山をするときだけではなく、
普段でもどんな靴にどんな厚さや素材の靴下を合わせるかが
とても大事だと思っています。
街でも踵が擦れて靴下が薄くなり、
踵の上あたりに穴が開いてきたりなど、
靴のサイズが合っていないと
靴下が擦れて痛みやすくなります。
靴下の素材があまりいいものではなかったり、
仕様に問題があるかもしれませんが、
「靴」と「靴下」の相性というのは、実はとても大事。
今回は軽量シューズ向け(200~300g程)の登山靴下。
ウルトラライトのシェアが高まって、
靴も荷物に合わせて軽量化された靴や
トレランシューズで登山する人が増えた。
私はがっつりULなタイプではないけど、
足元は軽い方が足取りも軽く、早く歩けるので、
日帰りはイノヴェイトROCLITE286GTX、
泊まりの時はROCLITE G 345GTX を履いています。
(2021年6月現在)
あとは、気温によって靴下をチョイスするのがベスト。
2月下旬の筑波山(標高877m)でも
早朝は気温5℃くらいでしたが、
問題なく歩くことができました。
低山でしたら冬でも気温によっては大丈夫な日も。
季節は春・夏・秋シーズンにご利用頂けます。
POINT 2 −丈感とソフトなフィット感−
丈は少し長めにしています。
ロングパンツを履いて足を岩場などで上げても
素足が見えない丈感。
山行中は歩く事に集中したいので、
靴下がずれ落ちて気にならないように、
けどサポートほどのキツさは窮屈なので、
あまり日本では使われていない105Dのソフトなゴム糸を
トップから爪先までフル挿入しています。
適度なフィット感で足を通した瞬間、
履き心地いい!と感動したのを覚えています。
POINT 3 −耐久性−
ガシガシ使いたい。
laceflowerの靴下は丁寧に扱いたくなるような
繊細な靴下を作っていますが、
登山だとどうしてもそうはいかない。
すぐにヘタらない丈夫さを大事にしました。
パイル部分と爪先踵には繊維の中でも最も強いナイロンの糸を
+1本足して補強糸として入れています。
POINT 4 −素材−
vol.5でお伝えした日本毛織さんが独自開発された
ウールとナイロンの混紡糸を使用しました。
当初はウール100の糸でサンプルをずっと作り続けていましたが、
2~3回履いたら足底は毛玉だらけ。
国内生産で作られている他社の登山用靴下も
ほとんど同じようにすぐ毛玉になってしまっていました。
お気に入りの靴下がすぐ毛玉だらけになったり、
ヘタったりするのは残念。
靴下好きとしてはいただけない。
靴下の仕事をしているとどうしても、
人前で靴下を脱いだり履いたりする事が多く、
毛玉がたくさんついた靴下は履けなくなってしまいました。
laceflowerの靴下でも毛玉になりにくい素材か、
素材を探すときにとても大事にしているポイントです。
ウールはどうしてもピリング等級が低く、
しょうがないのかなと諦めていたところ、
AXIO®︎の糸に出会いました。
ウール100が絶対絶対いい!と思っていたけど、
vol.5でお伝えした通り、
靴下って裏糸やゴム糸が必ず入るので、
表糸がウール100でもどうしても様々な糸の組成混率となってしまいます。
だったら、あまりウール100に拘らなくてもいいのかもと思った。
強度や毛玉は妥協したくなかったので、
とてもイメージの糸で作れました。
POINT 5 −通気性−
足はたくさん汗をかきます。
ウール素材は常に体温を一定に保ってくれるため、
高い通気性のおかげで汗が吸収され、肌はべたつかず、
常に清潔な状態でいることができますが、
靴をずっと履いたままの状態だとどうしても
ウールの靴下を履いていても靴の中で体温がこもってしまい、
蒸れやすくなってしまうので、
外に熱を逃してあげるよう爪先付近はメッシュ編みにし、
通気性をよくしました。
早速、実際にフィールドで使用されて、
とてもよかった!と登山ユーザーからの感想をいただきました。
これ、本当に一番の褒め言葉です。
本当に嬉しい、頑張って作って良かった。
ありがとうございます。
夏山の計画、楽しみですね。
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花弁の形も、色のつき方も、
小ぶりでふりふりしているのも全部可愛い
トガクシコゴメクサ
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