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高山植物図鑑 Vol.6


靴下の仕様の話。


ちゃんと登山靴下としての機能を果たす為に、

素材以外の仕様に関しても、しっかり登山仕様で作りました。

ガチガチなアウトドアぽい仕様の見た目は

普段のファッションには合わせにくいので、

見た目は普通だけど、仕様はアウトドアのイメージ。


ファッションとは違って、

アウトドアで使うもの(ギア)は全てに理由があって、

ファッションよりも答えが明確にある気がする。

使う用途もとてもはっきりとしている。

靴下も大切なギアの一つ。

「山で可愛い靴下を履きたい」理由が第一優先でしたが、

可愛いだけではないちゃんと登山靴下としての機能を

果たしているか、という点もとても重要ポイントとして作りました。

たくさんこだわったポイントはあるのですが、

中でも最もこだわったポイントを5つご紹介。


POINT1 −薄手のパイル編み仕様−


登山靴下を選ぶポイントは、

靴に合った厚さの物を選ぶ事がとても大事だと思います。

これは登山をするときだけではなく、

普段でもどんな靴にどんな厚さや素材の靴下を合わせるかが

とても大事だと思っています。

街でも踵が擦れて靴下が薄くなり、

踵の上あたりに穴が開いてきたりなど、

靴のサイズが合っていないと

靴下が擦れて痛みやすくなります。

靴下の素材があまりいいものではなかったり、

仕様に問題があるかもしれませんが、

「靴」と「靴下」の相性というのは、実はとても大事。


今回は軽量シューズ向け(200~300g程)の登山靴下。

ウルトラライトのシェアが高まって、

靴も荷物に合わせて軽量化された靴や

トレランシューズで登山する人が増えた。

私はがっつりULなタイプではないけど、

足元は軽い方が足取りも軽く、早く歩けるので、

日帰りはイノヴェイトROCLITE286GTX、

泊まりの時はROCLITE G 345GTX を履いています。

(2021年6月現在)

あとは、気温によって靴下をチョイスするのがベスト。

2月下旬の筑波山(標高877m)でも

早朝は気温5℃くらいでしたが、

問題なく歩くことができました。

低山でしたら冬でも気温によっては大丈夫な日も。

季節は春・夏・秋シーズンにご利用頂けます。


POINT 2 −丈感とソフトなフィット感−


丈は少し長めにしています。

ロングパンツを履いて足を岩場などで上げても

素足が見えない丈感。

山行中は歩く事に集中したいので、

靴下がずれ落ちて気にならないように、

けどサポートほどのキツさは窮屈なので、

あまり日本では使われていない105Dのソフトなゴム糸を

トップから爪先までフル挿入しています。

適度なフィット感で足を通した瞬間、

履き心地いい!と感動したのを覚えています。


POINT 3 −耐久性−

ガシガシ使いたい。

laceflowerの靴下は丁寧に扱いたくなるような

繊細な靴下を作っていますが、

登山だとどうしてもそうはいかない。

すぐにヘタらない丈夫さを大事にしました。

パイル部分と爪先踵には繊維の中でも最も強いナイロンの糸を

+1本足して補強糸として入れています。


POINT 4 −素材−


vol.5でお伝えした日本毛織さんが独自開発された

ウールとナイロンの混紡糸を使用しました。

当初はウール100の糸でサンプルをずっと作り続けていましたが、

2~3回履いたら足底は毛玉だらけ。

国内生産で作られている他社の登山用靴下も

ほとんど同じようにすぐ毛玉になってしまっていました。

お気に入りの靴下がすぐ毛玉だらけになったり、

ヘタったりするのは残念。

靴下好きとしてはいただけない。

靴下の仕事をしているとどうしても、

人前で靴下を脱いだり履いたりする事が多く、

毛玉がたくさんついた靴下は履けなくなってしまいました。

laceflowerの靴下でも毛玉になりにくい素材か、

素材を探すときにとても大事にしているポイントです。

ウールはどうしてもピリング等級が低く、

しょうがないのかなと諦めていたところ、

AXIO®︎の糸に出会いました。

ウール100が絶対絶対いい!と思っていたけど、

vol.5でお伝えした通り、

靴下って裏糸やゴム糸が必ず入るので、

表糸がウール100でもどうしても様々な糸の組成混率となってしまいます。

だったら、あまりウール100に拘らなくてもいいのかもと思った。

強度や毛玉は妥協したくなかったので、

とてもイメージの糸で作れました。


POINT 5 −通気性−


足はたくさん汗をかきます。

ウール素材は常に体温を一定に保ってくれるため、

高い通気性のおかげで汗が吸収され、肌はべたつかず、

常に清潔な状態でいることができますが、

靴をずっと履いたままの状態だとどうしても

ウールの靴下を履いていても靴の中で体温がこもってしまい、

蒸れやすくなってしまうので、

外に熱を逃してあげるよう爪先付近はメッシュ編みにし、

通気性をよくしました。


早速、実際にフィールドで使用されて、

とてもよかった!と登山ユーザーからの感想をいただきました。

これ、本当に一番の褒め言葉です。

本当に嬉しい、頑張って作って良かった。

ありがとうございます。

夏山の計画、楽しみですね。


pic/

花弁の形も、色のつき方も、

小ぶりでふりふりしているのも全部可愛い

トガクシコゴメクサ


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