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What's WOOL?


メリノウールの話。

メリノウールとは、主にオーストラリアやニュージーランドで

飼育されているメリノ種という羊の毛を用いたウール素材のこと。

そのほかのウールに比べ、保温性が高く、数ある羊毛の中でも最も高級な羊毛です。


衣服においてウールは冬にとって欠かせない素材の1つです。

「ウール=あったかい素材・冬に着るニット」など紡毛のイメージが強いかと思いますが、

梳毛のとても細い番手のウール素材は、1年通して快適に過ごせる素材なんです。

アウトドア(特に登山)をやっている人にとっては、

ウール製品を実際に身につけ、

フィールドでウールの良さを実感している方が多いかと思いますが、

アウトドアに馴染みのない方にも、ぜひウールの素晴らしさをお伝えしたく、

ウールについてお話しします。

ウールは人との相性がばっちりと呼ばれている天然繊維。

古くから使用されている人間にとって身近な素材です。



point 1 –冬は暖かく、夏は涼しい、天然のエアコン素材–


セーターや厚手の靴下など、ウールというと「体をあたためる」

素材というイメージが強いかもしれません。

多くの人が知るように、ウールの衣服を纏うとあたたかくなる。

では、”夏は涼しい”とはどういうことだろう?


point 2 –ウールの繊維–


ウールの繊維形状は1本1本の繊維がチリチリと縮れており、空気の層が出来ています。

この縮れ(クリンプ)こそがウール最大の秘密で、約60%もの空気を含んでいます。

空気は、断熱性が高い物質でこの空気層が外気を遮断し、体を暑さ・寒さから守ってくれます。

住宅に例えると断熱材と同じ働きをし、高断熱の住宅は冬はあたたかく・夏も快適に過ごせますよね。

それと同じでウールの衣服を身につけると冬は暖かく感じ、夏も涼しく過ごすことができるのです。



point 3 –消臭性と防臭性–


ウール繊維は構造的に繊維の内側に水分を吸収し、

繊維の表面で水をはじく作用があります。

ウールは構造上、繊維の表面に水分が残りにくいため、

臭いの原因となるバクテリアや菌の繁殖も起きづらいのです。

また、ある種の臭い成分を繊維内部に吸着する働きもあります。

汗をかいてもウール素材は汗臭さが発生しにくいと言われる理由は、こうした働きによるものです。

ウールの持つ構造が、温度調節と、消臭・防臭の働きをしてくれているのです。

登山で3日続けて着続けても匂わない。


point 4 –ウールのμ数–


ストロングメリノ  23~25μ

ミドルメリノ 20~22μ

ファインメリノ 20~21μ

エクストラファインメリノ 18.5~19.5μ

スーパー エクストラファインメリノ 17.5~16.5μ


羊毛の繊維の太さはマイクロン(μ)という繊維の細さをもとに換算されています。

糸の太さは番手やデニール、デシテックスなどで表しますが、繊維の太さはマイクロンで表示します。

マイクロンの数字が小さいほど繊維が細くしなやか。

人間の髪の毛は70~80μ程なので比べるとウールがどれほど細いか、わかりやすい。

ウールって暖かいけど、あのチクチクした感じが苦手という方も多いと思います。

あのチクチクした不快感はμカウント数が大きいウールの繊維調を使っているからなのです。

ウール繊維の先が肌を刺激するので、繊維が太いほどチクチクします。

「ファインメリノ」以上は、ウールの中でも極めて繊維が細くやわらかいので、

驚くほど肌ざわりがよく不快なチクチク感もありません。


メリノウール素材は、通年通して快適に過ごせる繊維です。

登山時ではなくても、夏場の暑い季節も、

梅雨のジメジメした季節も、冬の寒い季節も、

どんな時も人間の身体に寄り添ってくれる繊維なのです。

メリノウールを知って、人生得した気分。

身に纏うだけで快適に過ごせる。



pic /

タスマニアに行った際、見学をしたタスマニアウールセンター内で撮影した写真です。





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