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空の検索で18件の結果が見つかりました。

  • いちばん素肌に触れるもの

    2025年も16日が過ぎました。 本年も、みなさまに靴下の楽しさを伝えられるように、 みなさまの足元を守っていけるように。どうぞよろしくお願いいたします。 「いちばん素肌に触れるもの」って、 自分の身体を心地よくしてくれるものだと思います。 例えば、登山では汗の吸収・発汗をさせてくれる ベースレイヤーというインナーを身につけるだけで、 汗の不快感、汗冷えを防いでくれたり、 自分の身体とより密接に寄り添ってくれる。 今年もbaselyersocksを作りました。 今まで作ったくつ下は、全部全部、じぶんの子供のように大切で、 中でも私の大好きなくつ下となった " baselyersocks " 。 登山を始めてから、雪山登山は憧れでした。 私の初めての雪山は、2018年12月。 谷川岳の天神平スキー場の脇で、ピッケルアイゼン講習を受けたのが、 初めての雪山登山だった。 確かモンベルの雪山講習だったかな…。 雪山は一段とレベルも上がり、命の危険も増すもの。 自分の命は自分で守る。バディの命も、自分が守る。 そう思いながら、登山をしている。 冬の山は、しんと静まりかえっていて、とにかく美しい。 美しい反面、時に命を奪うようなとても恐ろしいところだということも、 山を登っているものとして、しっかり心の片隅に留めておきたい。 写真:冬の八ヶ岳(天狗岳までの樹林帯) 雪山講習は、滑落停止訓練、アイゼンの歩き方、ピッケルの持ち方など、 自分の身体を守る行為を、わざと転んで何度もピッケルを使って止まる練習をした。 それはもう、翌日には鞭打ちのように身体はあざだらけだった。 憧れの雪山を登れるようになってからは、 夫とたくさん山へ登った。厳冬期の赤岳、残雪期の立山。大好きな谷川岳。 冬の山へ遊びに行くたびに登山のレベルも、身につける服のレイヤリングも、 夏に比べてうんと難しいことに気付く。 寒いのに暑い。けど、脱いだら寒い。 身体との温度調整、調湿がとても難しいなと感じた。 写真:厳冬期の赤岳(2020年) 写真:赤岳天望荘(2020年) ご飯がとても美味しい山小屋だった それは、足元も同じだった。 暴風性、防水性の高い冬用の登山シューズは、 足先が凍傷にならないように寒さに耐えられる鉄板のよう。 それにとても重たい。 アイゼンを付けたら、なんだか無敵になれる気分。 そんな変身アイテムの登山靴の足の中は、まるでサウナ状態だった。 冬だって、ピーカンの日は暑い。 冬の2℃の山の中でも大量の汗をかいて登る。 服は、簡単に脱ぎ着できるが、 特に足元は靴を途中で脱ぎ履きできるような環境ではないし、 ずっと足元がサウナで窮屈だと思っていた。 山から降りて、すぐこの鉄板靴を脱いでサンダルになりたい! そんなことが冬の山では億劫になっていた。 そこで出会ったアイテムがベースレイヤーソックス。 足元もレイヤリングって大事なんだと気付いた。 靴下って全然見えないのに、ベースレイヤーとなったら、さらに見えない。 でも、一番肌と密接で、肌に触れるもの。 きっと素晴らしい機能の持ち主なんだろうと、 くつ下の可能性が秘められたアイテムだと、ビビッときた。 絶対に素敵な靴下が出来上がると思っていた。 そんな素晴らしい機能を持ち合わせたくつ下を、ベースレイヤーだけで使うのは勿体無い。 そう思って、重ね履きしないときは1枚でも履けるように、 可愛い靴下を作ろうと思い、開発をした1足。 laceflowerの繊細さ、上品さを兼ね備えた一人二役な、 私の大好きなくつ下、baselyersocksです。 今年は、どこも雪が多い。 最近はスキーにハマって冬のシーズンは登るのではなく、 滑ってばかりだが、たまには自分の足で山を歩きに行きたいと思った。 冬の山へ遊びに出かけたくなるような、そんな1足になりますように。 寒さや足の蒸れから必ず守ります。

  • レースフラワー

    'laceflower' ブランドネーム由来は レースフラワーという花の名前から名付けました。 花束に添えられいる名脇役な花。 靴下も名脇役で、通ずるものがある。 レースフラワーは白が代表的なイメージですが、 実は様々な色があって。 写真のようなピンク色やブラックレース、ブルーレース… 様々なレースフラワーがあります。 レースフラワーのように、 コーディネートのポイントに、 花束に1輪添えるように、 レースフラワーの靴下を手にとってもらえますように。 花言葉は、可憐な心、繊細、細やかな愛。 んー、なんて女性的で女性そのものなのだろう。 繊細だし、細かいし、細やかな愛を注げるし、 綺麗で可憐な心を持っていると思います。 レースフラワーの製品は、 好きな花モチーフを取り入れる事が多いですが、 レースのように繊細で上品な靴下を編み立てすること。 これが1番の製品コンセプト。 素材の繊細やだったり、 贅沢な(生産スピードを落としてゆっくり編み立てしている)機械だとか。 靴下を作る上でサンプルが上がったとき、 繊細か、上品か、履いた瞬間に贅沢!と感じるか。 物に溢れている今だからこそ。 私(レースフラワー)が作る意味ある製品だろうか。 そこまで自分と製品に納得をして、 ものつくりをすること。 とても大事にしています。 靴下と向き合うためには、レースフラワーの存在がとても大事。 pic / 2019年 コペンハーゲンのTORVEHALLERNEKBHマーケットのレースフラワー

  • Alpaca tights

    私がアルパカの素材を初めて身につけたのは、 登山の時に着るフリース。 アメリカのブランド、Appalachian Gear Company の製品 「オールパカ フリースフーディ」アルパカ100%のフリースとの出会いだった。 https://www.instagram.com/appgearco/?locale=ja-JP&hl=en 登山の時の防寒着としてフリースは必須アイテム。 フリースって結構嵩張るが、これは本当にとっても軽い。 軽くて、暖かくて、そして何よりもふわふわで気持ちいい。 なんだこの素材は。ずっと触っていたい…と思うほど、 とても滑らかでなんのストレスも感じない素材だった。 なんといっても軽い!登山で軽いは正義。 アルパカのことを調べているうちに、 素晴らしい繊維だということを知った。 ちょうどアルパカの素材が気になっていた2022年。 MARKAWAREのデザイナー・石川俊介さんとひょんなことから出会った。 石川さんは服を作る過程において、現地の生産現場まで出向き、 生産農家と契約をし、原料を現地で調達し、 日本で紡績、糸を自分で作って、 自身が手がける服に落とし込んでいる。 なかなかそんな人いない。 自分が作る服の原料がどこで作られ、どんな質のものか。 全部知れたらきっと作るものに自信が持てて、本当に楽しいだろうな。 そんなものづくりをされている石川さんのファンに一瞬でなったのと、 チャーミングなお人柄も総じて素敵だった。 石川さんは、中でもアルパカがだいすきで、 日本で一番アルパカのことが詳しいといつも嬉しそうにお話してくれた。 その年にたまたまもう一人、アルパカ協会の元会長だったアルパカ好きに出会った。 その方も「僕が日本で一番アルパカについて詳しい」と言っていて、 1年に2人の通称「アルパカに一番詳しい人」に出会ったわけだった。 アルパカの特徴や生態について色々とお話を聞く中で、 私の中でアルパカという素材が特別なものになっていた。 いつか、自分の作るレッグウェアでアルパカを使用した靴下を作りたい。 こんなふわふわで優しくて、気持ちのいい上質な糸。 なかなかレッグウェアでは出会えない。 2年前から密かにアルパカの糸を見つけてはお気に入りのBOOKとして、 頭の片隅にしまっては出して、しまっては出してを繰り返していた。 アルパカとの出会いと前置きがとっても長くなってしまったが、 ようやくアルパカを使ってlaceflowerからレッグウェアが誕生しました。 22AWで展開したイルマック機を使用したNorthpoleのタイツの ベビーアルパカ混のタイツを作りました。 紡毛のタイツって、アクリル混やアンゴラ混などが多く、 ふわふわで優しい素材のアルパカを使用したタイツは珍しい。 やっぱり秋冬って、紡毛素材のものが一つでもコーディネートにあると、 本当に可愛い。可愛い以外のなにものでもない。 秋冬にしか纏えない可愛いタイツというアイテムに、 使えたらと思い、お気に入りの柄に落とし込みました。 アルパカは、世界最高の天然繊維の一つ。 「神々の繊維 / The fibre of the Gods」と言われ、 大変貴重な繊維と言われています。 繊維自体の構造がマカロニのように空洞になっており、 空気層に暖かい空気を取り込むので暖かく、 素材自体も軽いので、履いていてストレスがありません。 また、ウールやカシミヤに比べると保温性や耐久性に優れていて、 カシミアとよく似た毛で軽くて丈夫です。 お手入れも簡単なため、高級獣毛の部類の中でもとても重宝されています。 <大きなポイント> ・羊毛の7倍と言われるあたたかさがある ・シルクのような滑らかで優しい肌触り ・通気性が高く軽い ・優れた強度と耐久性がある ・毛玉ができにくい ・肌触りがよく、チクチクしない ・アルパカの特徴   1.滑らかでやわらかい至福の感触  アルパカニットの良さを一番に実感できるのが、  シルクのような滑らかな手触りです。   2.カシミヤをしのぐと言われる高い保温性  アルパカニットを買って良かったと思えるのが保温性の高さです。  アルパカの毛は、繊維の一本一本がストローのように空洞になっているので、  断熱材のように暖かい空気をためこんで高い防寒性能を発揮します。   3.毛玉が出にくいのでお手入れがラク  アルパカの毛はニットにありがちな毛玉が出にくい素材なので、  新品のような編み地の美しさが長続きします。   4.何年も、場合によっては何十年も着られる  アルパカの毛は耐久性が高いことでも有名です。  その証拠に、必要最低限のお手入れをすることで、  10年、15年と長く着用される方もいらっしゃいます。   5.放湿性が高くカラッとした暖かさ  アクリルなどの化学繊維でできたニットはどうしても蒸れたり、汗冷えしたりします。  アルパカニットは放湿性が高く、温度調節機能も兼ね備えているので、  心地よい暖かさを実感できます。   6.汚れにくいのでお手入れは必要最低限  アルパカの毛には油分が含まれるため、  水分やにおいを寄せ付けにくくお手入れが簡単です。  汚れがなければ、ハンガーなどで干して毎回洗わず大丈夫です。   7.軽くて着ていても疲れにくい  アルパカの毛の内部は空洞になっているので、素材自体がとても軽量です。  アルパカニット製品は軽い着心地です。   ・ベビーアルパカについて   アルパカの中でも繊維がより細い「ベビーアルパカ」と呼ばれる毛は、 世界でももっとも贅沢な繊維のひとつと言われています。 アルパカより保温性が高く、軽くて丈夫。 肌触りがカシミヤのようによく光沢感があるとされています。 ベビーアルパカは赤ちゃんアルパカという意味ではなく、繊維としての名称です。 間違えないで欲しいのは、「ベビーアルパカ」や「ロイヤルベビーアルパカ」は、 アルパカの赤ちゃんから採取した毛ではない、ということです。 アルパカは主に南米ペルーなどアンデス山脈の高地で牧畜として飼われていますが、 アルパカの毛は生涯にわたって伸び続けるため、 夏の暑さで体調を崩さないように毛刈りが行われます。 そして刈られた毛は衣類などの繊維として使われますが、 それらの毛を太さによってランク分けします。 その時に使われる名称が「ベビーアルパカ」や「ロイヤルベビーアルパカ」になります。 また、アルパカのすごいところは、 最もナチュラルカラーの色数が多い繊維ということもあげられます。 ほとんどの繊維は原糸(白)を染めて使いますが、 アルパカの毛自体に色がナチュラルカラーとして種類がたくさんいて、 元々は40色以上あったと言われており、現在でも20色程度に分けられています。 白からブラウン、ブラックアルパカまでの色があります。 アルパカについて、メリットしかないと思いますが、 デメリットが一つあります。 それは繊維長が長く、 繊維自体が編みにくい、織りにくいということ。 Appalachian Gear Company アルパカ100%のフリースも、 同じサイズを買ってもL買っちゃった?というほど、 サイズ感が違っていたりして。それほど、編みにくい性質があります。 アルパカ100%のものほど大変なので、 ウールを混紡して使われることがほとんどです。 アルパカは臭いの繁殖を抑えてくれる繊維調なので、 お洗濯は毎回せず、ハンガーに干すだけでも大丈夫です。 汚れたら、気になった箇所だけお洗濯や手洗いするのでもOK。 縮絨(縮み)も出やすいのでお洗濯は頻繁にせず、 楽にお手入れしてみてくださいね。 この秋冬、タイツが主役になるファッションを楽しみたい。 アルパカの繊維といえば、井上ブラザーズのマフラーを思い出す。 ずっと気になってはいたけど実物を見て買いたいと思い、 なかなか取扱店に出向けず、気づいたら冬が終わっていて。 まだ手に入れられていないままだった。 今年の冬は、手に入れたい。

  • 赤いタイツ

    海外の素敵なファッション、素敵な世界観だなと思う人たちが、 みんなこぞって取り入れていた。 無地の赤い色をしたナイロンタイツ。 60Dくらいの透け感があまりないマットな質感。 「秋冬のファッションって、楽しい」 タイツを取り入れるとより感じる気がする。 素材もデザインも拘ったlaceflowerの赤いタイツ。 ぜったいにかわいい。 東洋医学において赤は、体感温度を上昇させたり、 免疫力をアップさせると言われているパワーカラー。 自律神経に働きかける作用があり、 気分が沈んでいる時や疲れを感じる時も、 活力を与えてくれる効果があるそう。 また、赤は人の気持ちをポジティブにさせたり、 行動力を与える心理効果も。 おへその下にあるツボ「丹田」に赤いモノが触れるようにするとよいと言われているので、 赤いタイツは、冬の体調管理にとても素晴らしい。 大好きなリヨセルで作った赤いタイツ。 私の一生の宝物となりそう。 このタイツを履いて、秋冬はどんなコーディネートをしよう。 今から、寒い冬を思い出して、胸が高鳴る。 今年の秋冬、laceflowerから優しく、暖かく、 足元を守ってくれるアイテムをお届けします。 レッグウェアの中で一番ニットに近く、冬にしか履けない特別な存在。 毎年新しいタイツを新調して、 冬支度をすると冬がきたとわくわくします。 22AWで初めてリリースをしたノースポールのタイツを、 リヨセル100%にして、再登場です。 laceflowerといえば、”リヨセル”と思ってもらいたいほど、 リヨセルを使ったレッグアイテムを作ってきました。 リヨセルとは、オーストリア・レンチング社が開発したユーカリの木材が原料の素材です。 やわらかく、サラッとした肌ざわりで、上品な光沢が魅力の繊維です。 実はリヨセルは「世界で最も環境に優しい(エコ)製法でつくられた繊維」だと言われています 。 人工繊維ではありますが、 石油などで作る合成繊維と違い、天然繊維に近い化学繊維です。 水・化学薬品・エネルギーの使用量がオーガニックコットンなどの他の繊維よりも低く、 また丈夫で長持ちするエシカルな素材と言われています。 laceflowerらしい上品さを持ち合わせていて、ブランドのキー素材。 毛玉にもなりにくく、湿潤時の形状変化も少ない。 吸放湿性も高く、履いていて心地のいい素材です。 赤いリヨセルのタイツを履いて、 健康で、ファッションも楽しくなりますように。

  • North pole Lyocellwool tights

    久しぶりにタイツを作りました タイツも、靴下に負けないくらい好き 冬にしか履けない特別な存在 身体に纏うレッグウェアの中で、一番ニットに近い感覚です 毎年、新しいタイツを新調して、 冬支度をすると冬が来たとワクワクする 無地のリブタイツに負けないくらいシンプルで使いやすい 毛玉が出来にくい、どんなお洋服にも合わせやすい あたたかいニットタイツが登場 タイツは肌に当たる面積が多く、 1日履いていて心地よい素材がとっても大切 適度に暖かくて、柔らかい肌触りの良い リヨセル素材を選びました laceflowerのアイテムを知って頂いている方は だんだん、馴染みが出てきていたら嬉しい、"リヨセル"素材 19S/S トーションレースレギンスでも、 21A/W ニーハイソックスでも使用したリヨセル リヨセルとウール素材が大好きなのです ※リヨセルとは・・・ ナイロンやポリエステルのように石油を原料としておらず ユーカリ(木材)を特殊な溶剤で溶かして作られる (溶剤紡糸法)再生繊維です 繊維の断面が円形であることから強度が高く、 湿潤時の収縮や強度の低下が少ない繊維です また、溶剤を回収して再利用するため、 廃液が環境中に放出されず地球にも優しい繊維です タイツを作るとなったら やっぱりリヨセルは絶対外せない リヨセルの一番好きなところは肌触りがとてもいいところ シルクのような、もしくはレーヨンのような、 とろーんとした滑らかな肌触りがとても素敵で、 化学繊維ではないので、肌に優しいところも好きです あとは毛玉にもなりにくく、強度もあります ただ、リヨセル100%だと摩擦に弱かったり、 暖かさやボリューム感が足りなかったり、 タイツで耐久性が損なわれることは避けたいと思い、 リヨセル90%・ウール10%配合の素材を見つけました 大好きな素材の2つの組み合わせ 絶対絶対、素敵な風合いに上がるに決まってる 機械はイルマックという編み機を使用 イルマック機とは、簡単に言うと穴あきレース編み柄を ニットで編む事ができる機械です condollのキッズレース編み靴下や、 子供の頃によく履いたような柄表現ができる機械です 柄の組み方がとっても大変で、 既存の何種類もあるパターンから選び生産される事が多い中、 今回は1から柄を作成くださいました 複雑なレース柄にはせず、とても単調な柄 シンプルでありながら細かい調整が何度も行われ、 1年半かけて完成したイルマックのタイツ 昔はイルマック機が多く普及されておりましたが、 現在では日本に数台しかないと言われています シンプルな柄タイツこそ、 求めるシンプルなデザインの先には、 生産背景ニッターさんによる物作り魂がない限り、 完成できなかったなと思います ぜひ、この冬はイルマックタイツを履いて 寒い寒い冬を越してもらえたら嬉しいです North pole Lyocellwool tights made in Japan (Nara) ¥4000+tax Lyocell 74% Nylon 14% wool 9% polyurethane 3%

  • すずらんのくつした

    2年ぶりにリニューアルをして登場するすずらんの靴下。 2020年からリリースを始めて今回で4回目の生産となり、 laceflowerの定番商品となりました。 今回は、柄をリニューアル。 どの角度から見てもうつくしい、 パンツの裾から覗く姿、バレエシューズと合わせた姿、 スニーカーに合わせた姿、etc どんな靴に合わせても靴下がうつくしく見えるよう考案。 機械は、前回同様にホールガーメント。 ホールガーメントで作る贅沢な靴下。 靴下の機械では編み出せない表現技法がこれでもかというほど、 詰め込まれています。 靴下の編み機で表現するとどうしても、凹凸感がなく、 平面な柄表現しかできません。 ホールガーメントだと、立体的な柄表現ができる。 洋服のような、ニットのような編み地が作れる。 また、シームレスなので、縫い目がどこにもなく、 履き心地もとても良いのが特徴です。 素材には、綿とアクリルの強撚糸を使用。 強撚糸とは、文字通り2本の糸を強く撚りをかけて1本の糸にすること。 強く撚ることによって、綺麗で光沢のある糸になり、 またコードのようにとっても糸が強いので、 生地も強度を増します。その為、全く穴が空きません。 4.5年同じ靴下を履いていますが、一向に穴が空く気配がありません。 お気に入りで買った靴下を、長く履きたい。 洋服のように、ニットのように、 履くサマーニットのように作れたら、と思い、 この素材を使用しました。 天然繊維ももちろん素晴らしい。 けど、時に強度や耐久性が必要となる消耗品の靴下は、 長く使えるものであってほしい。 なので、天然繊維も化学繊維も、 どちらも靴下にとっては必要な素材だと思っています。 5月1日、すずらんの日。 フランスでは男女問わずにすずらんの花を贈り合う日。 贈った人も、贈られた人も、再び幸せが訪れると言われています。 すずらんの靴下を履いて、再び幸せが訪れますように。 願いを込めて。 先日、お客さまへすずらんの靴下を新規お取引先様へ提案した際、 靴下を手に取っていただいたときに、 「お洋服みたい」と言って頂けたことがとっても嬉しかった。

  • Hakusanfuuro / baselyer socks

    足のムレ・冷えを防ぐ足袋靴下が編み上がりました 冬山のとき、厚手靴下の下に履く“ベースレイヤーソックス”と言います インナーだけではなく真冬以外は普段履きとして1枚で使える靴下 表側には保温性や消臭効果があるウール素材を 裏側にはキュプラという吸放湿性に優れた素材を組み合わせ 足のムレを軽減してくれる靴の中が快適になる1足 薄くてもすぐに穴があかない強度のある靴下が誕生しました <使い方について> for hiker… ・冬山、雪のシーズン足先が冷えてしまう方へ ・厚手のウールソックスを履くと靴の中が汗でムレてしまう方へ ・秋冬の低山で高山植物図鑑だと少し寒いという方へ (高山植物図鑑との重ね履きも相性◎) Not for hiker… ・夏〜秋:1枚履きとして快適に使えます ・冬:寒い季節にいつもの靴下のインナーソックスとしてお使い頂けます <靴下の素材について> みなさん、キュプラ(ベンベルグ)という素材はご存知ですか? 高級スーツの裏地などによく使われるツルツルとした素材 原料はコットンの種の周りにあるコットンリンターという綿毛が原料となっている再生繊維です 昔から大好きな素材です キュプラを表糸に使用した一輪のばらというお気に入りの品番があった そのキュプラを、今回は裏側(スーツの裏地のよう)に使用しました 肌触りも最高な故、素材特有の特徴が素晴らしいのです 一つずつ、丁寧に説明してゆきますね まず、表糸にはmerino wool 100% AUS /NZ のブレンドされたAUTHENTICOという糸を使用 (靴下は、表糸+裏糸+ゴム糸でほとんどの製品が編まれますよ、覚えてね) バルキー性に優れたニュージーランドメリノと、膨らみのある豪州メリノウールをブレンドすることにより白度に優れ、 クリンプ(縮れ)が強いため、綺麗な光沢と膨らみが特徴なAUTHENTICO 裏糸(肌に当たる面)にはキュプラを使用しました コットンリンターを原料とする再生繊維で、 キュプラはスーツの裏地などに主に使われベンベルグ®と呼ばれることもありますが、 ベンベルグ®は、旭化成が持つ商標になります まさに、表面は上質なウール、裏面はキュプラを使用した高級スーツのような仕立てで編立した1足 ※コットンリンター・・・ コットンの種の周りのうぶ毛のこと 通常綿糸としては使われなかった部分を精製・溶解して糸にしています   ■ 表糸:AUTHENTICO(ウール)の特徴 ・毛玉ができにくい ・汗をよく吸い、すぐに乾く ・消臭効果がある ・摩擦に強く、綺麗が長持ちする ■裏糸:キュプラの特徴 ・吸放湿性に優れている ・「呼吸するような」繊維 ・湿気を吸って外に放出するのでムレにくい ・繊維内の水分を介し、静電気を空気中へ逃すため、  制電性に優れている <キュプラの作用について> ・足の裏が湿った状態ではなくサラッとしてくれます ・吸放湿性には優れておりゆっくりゆっくり肌と調湿をし吸収した湿気をゆっくり熱を逃さずに放散してくれます ・水分が多い繊維の為、靴下を脱いだ後に靴下が多少湿っている事がございます ・ポリエステルほどの吸水・速乾性はございませんが湿気を吸い取り、  拡散放散させる作用はポリエステル素材よりも上回る特性がございます ※吸放湿性・・・ 生地がどれだけ湿気を吸収しやすいか また吸収した湿気をどれだけ放散しやすいかということ ベンベルグ、素晴らしい素材なんです さらにベンベルグは世界で唯一 日本の旭化成だけが生産している素材なのです ベンベルグが誕生したのは化学繊維が開発されたばかりの19世紀後半のドイツで、 旭化成は、ベンベルグ社が開発したその技術を導入し、研究を経て日本で初めて生産に成功 研究と技術の革新により、現在は、世界で唯一、日本の旭化成だけしか生産していない素材です 素晴らしい素材、これからも大切にしたい素材の一つです 冬・雪山となると、登山の難易度も上級になって、ギアも増え、レベルが格段にアップ なんちゃって、のような安易に物を作れない オールシーズン登山道具は簡単にものを作ってはいけないと思っていますが、 冬山に使用する製品となると、より緊張感があります いつもは自分の足を信じて、 何度もモニターをして、山に入ってテストを行いますが、 今回だけは自分の感覚、足だけでは無防備に製品化することが出来ず 素材を2種類に選定して生地検査の比較試験を行った 数字という苦手なものが、いつにも増して頼り甲斐のあるものとなった 数学が好きなひとの気持ち、答えがあるというものは気持ちがよい 数字には嘘がない、今回の学び 素材は、以下の2種類 【1】表糸:メリノウール+裏糸:異形断面のポリステル100% 【2】表糸:メリノウール+裏糸:ベンベルグ100% (※以下、【1】【2】と表記させていただく) 試験内容は、 ①摩擦試験  …摩耗で孔があき、機械が停止したときの回数(通常の靴下は500回) ②吸放湿性試験  …生地がどれだけ湿気を吸収しやすいか、また吸収した湿気をどれだけ放散しやすいかを評価するために行う試験 ③拡散性水分率  …生地の速乾性のみを評価する試験です。一般的にJISの吸水性試験の結果と組み合わせて、吸水速乾性の評価を行う場合が多いです  一般的に、滴下法は織物が 60 秒以下で編物が 10 秒以下、バイレック法は 80 mm以上が良いとされることが多く  また、拡散性残留水分率は  60分後に 30%以下 であることが目安とされています ④吸水性試験  …吸水速乾性(または吸汗速乾性)とは、スポーツ等でかいた汗を素早く吸収し、素早く乾燥させる性能をいいます 試験結果は以下の内容となった ①摩擦試験の結果  【1】2531回  【2】3004回 強度については、生地に摩擦をかけ、何回で破れるかという摩擦強度試験内容 通常仕様の靴下と比べ6倍の強度結果が出ております(3004回の摩擦で穴があいたという試験データ) 薄手ですが、しっかり強度がありました ②吸放湿試験の結果 (25℃・湿度80RHの環境で試験データ)  【1】777μg  【2】1298μg 吸放湿試験とは、湿気を素早く吸い取り、放湿(外に逃がす)というデータ 数字が大きいほどに放湿するデータが良いのでベンベルグの方が上回る結果に ③拡散性水分率の結果 (生地に水分が残っていない状態になるのが何分後かというデータ)  【1】47.4分  【2】41.3分 ④吸水性試験の結果 (生地に水滴を垂らし、生地が水を吸い上げサラッとする状態まで何秒か)  【1】2秒  【2】3秒 拡散性水分率、吸水性ともに 吸水速乾性の良いポリエステルとの比較だと両者ともに良いデータだった 通常の靴下だと、生地に水分が30%残っている状態が60分後なら良いとされ、 今回の生地は2種類とも40分台で0%という優秀な結果 比較を行いどちらも捉え方としては良い結果のデータが取れて、自信に繋がった 最終ジャッチはこの結果を踏まえ、あとは履き心地、私の足裏の感覚のみ こうなるとベンベルグの1択だった 試験を出す前からベンベルグで製品化したいと思っていました でも、登山道具でベンベルグを使用している製品がほとんどなく、 登山時には見合ってないのかな?と不安だった けど、この試験結果を見たら優秀だったし テストの足裏が蒸れる感覚もなかった 何より、履き心地が素晴らしかった やっぱりベンベルグ、最高だよね という私の好きな素材を信じて出来上がったものだ あとは、見えても見えなくても自分だけが知るお守りの刺繍 山に咲く高山植物のハクサンフウロの刺繍を入れた この刺繍の糸も、肌に当たって痛くならないように 柔らかく、手縫いのようなざっくり感を出したく 刺繍の糸を探した 探したら、なんとこの糸もベンベルグ! ベンベルグ、最高!

  • Flowers of lceland on the LaugavegurTrail .

    Flowers of lceland on the LaugavegurTrail . 8月末、アイスランドにある全長55kmのトレイル ずっと憧れだった“Laugavegur”を歩いてきた。 アイスランドのトレイルには木が植生しておらず緑のものは黄緑色をした苔たち。 森もない、木もほとんど生息しない火山地帯だが、時折草や花に出会った。 火山帯の少し寂れたかっこいい風景に急に花が現れ、 日本の山の青々とした樹林帯や稜線上の中で生きる花と違った より、逞しく、儚く見えたのはこのアイスランドという地形が作る とてつもなく広大でかっこいい景色だから。 - シレネ・ユニフローラ ナデシコ科 マンテマ属 学名:Silene uniflora (英名Silene maritima) 原産地:西ヨーロッパ~マデイラ諸島~アイスランド~バルト海沿岸地方 ヨーロッパに分布するナデシコ科の耐寒性多年草。 伸びた茎の先に釣鐘状の可愛い花を咲かせ、花を咲かせます。 沿岸部の崖や砂地などに自生していることもあり、乾燥している場所を好むそう。 とっても、とっても、可愛かった…。 日本に戻って一番に調べた花。 ネットで鉢植えを見つけたので、育ててみようかな。 - シレネ・アカウテス ナデシコ科 マンテマ属 学名: Silene acaulis (英名 Moss campion ) 原産地: ヨーロッパアルプス や ピレネー山脈 地方 日当たりのよい草地や岩場に生え、高さは1〜3cmほど。 和名では「苔マンテマ」と呼ばれる。 レイキャビクの街の本屋さんでアイスランドに咲く花が描かれたポスターを買った。 その中にもいた。イラストにしてもかわいい。たくさん咲いているとよりかわいいね。 早くこの絵が似合う額を買わなきゃ。 アイスランドの花、繊細で逞しくて、美しかった。 花のうつくしさは、世界共通なんだなあ。 2023.8.19~28 Iceland Laugavegur Trail.

  • What's wool? part2

    “ウールは肌に良い” ウールはチクチクして、敏感肌だから着れない。 痒くなってしまって難しい。 と思いがちではないでしょうか? ×:ウール=肌に刺激的 ◯:ウール=肌に良い 最近発表された研究によって、スーパーファイン・メリノウールを素肌に直接着用することが、 湿疹患者に改善効果をもたらすことが示されました。 メリノウールが健康やウェルビーイングに効果的であることを裏付ける研究結果は増えており、 今回の研究もそれを裏付けるもの。(ザ・ウールカンパニーより) 世界中から選ばれた医療専門家のグループが豊本100年間に出産された論文を再考察し、 ウールがアレルギーを引き起こすとする科学研究を検証。 この新たな分析によって、ウールがアレルギー源であるという証拠は見つかりませんでした。 ザ・ウールマーク・カンパニーのサポートを受けて、ウールをアレルギー源とする説を否定する2つの論文が作成され、 高い評価を得ているインターナショナル・ジャーナルに出版される予定になっています。 この論文は、ウールをアレルギー源とする一部の人々の誤解を解き、 適切に選ばれたスーパーファイン・メリノウール製品が、 特に敏感な皮膚をもつ人々の皮膚の健康に役立つということを示す、 ザ・ウールマーク・カンパニーの戦路によるものです。 重要なことに、衣類によって引き起こされる皮膚への刺激は、 生地から突出している粗い繊維(直径30マイクロン以上)によるものであり、 繊維の種類は関係ないということが明らかになりました。 皮膚への刺激は粗いウール繊維同様、粗い合成繊維によっても容易に引き起こされ、 また、現在の業界の慣行を考慮すると、今日のウール製品に加工段階で行えするアレルギー源は最低限であり、 アレルギー反応が引き起こされる可能性は低いということが明らかにされました。 ウールが湿疹患者にどのように役立つか 暑くても寒くても、湿っていても、乾いていても、 メリノウールの衣類はコットンの2倍、ポリエステルの40倍の水蒸気を吸収して放出する能力があり、 一般的なアパレル衣類の中で最も通気性があります。 スーパーファイン・メリノウールは、肌の隣に着用すると、ダイナミック・バッファーとして機能し、 肌が乾燥しすぎている人にとって、第二の肌のように機能するようです。 ウールによる湿疹症状の軽減が研究結果で証明されました 最新の4つの皮膚科学試験では、乳児、思春期、成人の湿疹に罹患している人が、 スーパーファイン・メリノウールの衣類を皮膚に直接着用すると症状が軽減することが報告されています。 アトピー性皮膚炎の重症度と症状について、平均繊維径≤17.5mmのスーパーファイン・メリノウールの衣服を1日6時間以上、 6週間着用することのメリットを示しました。 さらに、患者の刺激やかゆみ、痛みのある皮膚症状が大きく減少し、 また出血、じくじくとした化膿、皮膚のはがれ、乾燥または肌荒れなどを伴う症状が減少したと報告しました。 ザ・ウールマーク・カンパニーの記事にて、より詳しく掲載されております。 https://www.woolmark.jp/industry/research/wool-eczema/ 今回、laceflowerと高山植物図鑑より発売されるUltra fine merinowool に使用している素材は、 高級ウール「Ultra fine wool」に分類される 17.5μ (Super 120)のニュージーランドメリノウールを使用しています。 ウールの概念がだいぶ覆されました。 それほど、梳毛の細番手(17.5μ)のウールは素晴らしい。 知れば知るほど、好きになるメリノウール。 もっとアウトドアのシーン以外でも日常的に使われるアイテムとなったらいいな。 pic / タスマニアウールセンター(Tasmania・Ross)

  • Ultra fine merinowool tights

    laceflowersocksのコンセプト、 “ 繊細で上品 “。 きっと、この言葉がしっくりくる、 laceflowerの定番タイツが編み上がりました。 足が綺麗に見える、極薄のメリノウールタイツ。 こんなに薄手のメリノウールのタイツは、私もまだ見たことがない。 無地のレッグウェアは、私(laceflower)が作る物ではないかな、 となんとなく、ブランドコンセプトを辿った上で思っていた。 市場にもたくさん上質で素敵な無地のレッグウェアが溢れているから、 ここから生まれるものではないのかなあと、 無地のアイテムに一線を置いてしまっていた。 でも、1つすごく欲しいものがあった。 極薄手のメリノウール素材を使用した丸編みのレギンス。 縫製ではなく丸編み機を使用した着用感抜群のもの。 薄手×メリノウール素材に特化した開発をした経緯は、 登山時に履く丸編みタイプのレギンス(メリノウール素材)が市場になく、 レギンスの開発を始めた経緯からでした。 企画を進める中でコンセプトポイントは3つ。 ・メリノウールで薄い ・毛玉にならない ・足が綺麗に見える なんでも私はコンセプトという物を大事にしている。 自分ノートに書き出す作業。 なんで作っていたんだっけ? どんなものに仕上げたいんだっけ? 途中で、何を作っているのか見失わないように、 自分に問い正す気持ちで。 その時の可愛い欲しい、の突発的な気持ちと見切り発車をしないように。 (意外と慎重に細かく、進めていきたい派です) いざ、レギンスを開発して進めていったところ、 私の知識や経験不足で機種選定を誤ってしまったり、 素材が悪いのかな?と思い、強撚糸加工をしたり、 リヨセルとウールを撚糸したり、 とにかく色々と試作を進めていった。 全然納得のいく生地感にならず、 ずっと野暮ったいレギンスが上がってしまった。 もう機械を変えて、ウールの番手も変えるしかない。 けど、番手がオーバー番手で編み立てが出来ないと言われている。 1/72番手よりも細いメリノウールを探すしかないか…。 国内で流通している1/72より細い番手のメリノウールはなかったので、 海外から糸を買うか…。 と思っていた矢先、昔メーカー時代に作ったタイツをふと思い出した。 とても薄くていい感じに作れた中国製で作ったタイツ。 同じ原理で素材を変えて作ってみたらどうなんだろう? 番手はオーバーで編み立てできないとずっと断られていた 工場さんに再度サンプルを見せて相談をしてみた。 恐らくオーバー番手だけど、1回試作で編んでみようとなった。 「編めました」と、機械の調整等で時間はかかってしまったが、 出来ないことが出来ることになった瞬間。 これって、私以外の何者かが依頼しなかったら、 一生この工場ではこの仕様が生まれなかったということ?と 思うと、物が生まれるということは生産現場だけの 力では生まれないものがあるのだと思い知らされた瞬間でもあった。 お互いの経験や、挑戦する物作りへの心得。 色々なことを思い、感じた企画だった。 8回目のサンプルにしてやっと思い描いてた、 コンセプトに沿ったものが編み上がった。 (毛玉にならないポイントもなんらくクリア) 最高の編み地で作れた。 せっかくだからレギンスだけではなくてタイツも作ろう。 このタイツはlaceflowerらしい編み地だと見た瞬間から感じた。 こうして、試行錯誤をして出来上がったレギンスから始まった、 定番の新作タイツ。 工場に依頼をして物を作る。 どうしても、物作りの現場においては、 依頼をしている企画発端者(ブランド)の力が大きく見えがち。 大量生産をしている現場では少なくともそういう傾向がある。 何か不良品などの問題があれば工場の責任。 全て工場が下請けとなって責任も負う。 もちろん技術のプロとして自信を持った商品を 工場には提案をしてもらいたい、というブランドからの意見も わからなくはないが、けど対等で在りたい。 責任も一緒に負うし、だから物作りの開発も一緒にして欲しい。 だから、私は技術の方とも話がしたい。 依頼を受けたものをそのままの通りに作るのではなく、 こうした方がもっと良くなるのでは?という提案がないと、 日本で作る意味というものがなくなっていくように思う。 (依頼されたものを忠実に作るのは中国の方がレベルが凄いと思う…小声) とはいえ、日本の靴下工場を今も尚守っている工場を、本当に尊敬しています。 最新技術を駆使すれば、技術者が育てば、 海外でもいい商品を作れる。 現状、残念ながら中国やタイなどの 大量生産型の海外工場のレベルも上がってきた。 機械も最新の機種を多く取り揃えているので、進化が早い。 日本製靴下もこれからもしっかり日本製品の誇りとして、 技術を高め、守っていって欲しい。 その手助けに少しでもなれるように、私もこれからも日々勉強をしていく。 靴下の勉強を。 laceflowersocksより、新しい花を咲かせましょう。

  • Ultra fine merinowool leggings

    山で履くレギンスが編み上がりました。 私が作る物作り(レッグウェア)において、大切にしていること。 “繊細で上品” “大切に扱いたい” ”素材の良さ” 最近、1つ追加された項目がある。 くつ下の読本という昭和39年に発行されたとてもマニアックな本を1万円で購入した。 当時の定価650円。 内容は靴下の総論から原料、糸捲(マニアックすぎ…)、編み立て、 靴下機の種類など、後半になるにつれて技術者向けの難易度たかめのとにかくマニアック。 その本に書いてあった第6章、 「靴下の使命とはきよいくつ下とは」 靴下の使命 1)保温 2)足の保護 3)くつをはく場合、滑りをよくして、はきやすくさせる 4)くつと共に歩行の場合の衝撃を全身に与えないようにする 5)足に美観を添えて、はく人の高尚度を高めると思う 最後の「足に美観を添えて、はく人の高尚度を高める」。 私の作る靴下はこれだ。と改めて気付かされた一行だった。 今回作ったレギンスの意図としては、 私の山行においてレギンスとは年中使い勝手のいいギアの一つであった事。 市場にはメリノウール素材で作られた無縫製のレギンスがなかった事。(いい生地感、薄さの) 黒が多いこと。カルヴァンクラインのチャコールグレーのタイツのような、 服や肌に馴染みがいいカラー展開がなかったこと。 全てをクリアできたレギンスがこの秋、高山植物図鑑からリリース。 レギンスについても拘りポイントがありすぎる程にたくさん詰め込んでいます。 長いので、通勤時などにぜひ。 ●無縫製・ニット(丸編み)ということ 無縫製(丸編み機)のウール素材を使用して編み立てすることは全く問題なくクリアできる問題だったのですが、 “ちょうどいい生地感・薄くて毛玉にならない” という2点が絶対条件の項目でした。 私が普段使用している生地縫製のアイスブレーカー175 Everyday Merino Base Layer Leggingsは 3年余り使用しているが、全く毛玉にならない。 ニットよりも生地の方がもちろん毛玉になりづらいのが良さ。 生地の厚さもちょうどいい。生地じゃなくてニットなら…。 これがニットだったら私は恐らくレギンスを作っていなかっただろう。 無縫製というのは、サイドに縫製がありません。(股部分のみ縫製) 生地縫製だと、どうしてもフィット感が足らなかったり、 膝が出て野暮ったい。足が綺麗に見えない。(縫製ならではのゆったり感が好ましい場合もある) レッグウェアのデザイナーはみんな丸編みが好き。だと思ってる! 靴下が大好きだけど、冬に履くフィット感のあるタイツも大好きで。 タイツのような感覚で、薄くて暖かい足が綺麗に見える山で履くレギンスがあったら最高。 と思い、ニットで編み立てをしました。 ●ニットの薄さ 厚すぎると、行動中暑い。ニットなのでフィット感がとてもあるため、 厚いと皮膚が呼吸していない感覚。(登山だとより感じた) ほど良い薄さに拘りました。 編み地の組織「交編編み」という編み地を取り入れました。 使用した機械は320N(320本の針が一周ぐるりとある機械の事)←マニアック… この機械は丸編み機の中でも最もハイゲージで、靴下よりはパンストなどによく使われるはず。 国内だとなかなか珍しいゲージの機械。 この機械を使いたかったのですが、一番細いウール番手(1/72)でも糸が太すぎて編立ができないと言われた。 通常は表糸(ウール)+裏糸(ナイロン)を当時に編むのですが、 同時ではなく、交編編みならできるのでは?とふと思いついた。 表糸(ウール)と裏糸(ナイロン)を同時に編むのではなく交互に編む組織のこと。 ウールで交編編みはやったことがなく、機械の調整に時間がかかるけど、やってみようとなった。 そしたら、なんと編めたのだ! ここから修正や微修正を含めて8回目の修正でやっと編み地が完成した。 成し遂げた感とニッターさんが諦めずに呆れずに(もしかしたら呆れているかも…) 一緒に作ってくれたことに本当に感謝。 奇跡の編み地だと思います。工場さんも初めてやった技術と素材の組み合わせ。 ●素材について CROCE-NZ(NIKKE /日本毛織)高級ウール「Ultra fine wool」に分類される 17.5μ (Super 120)のニュージーランドメリノウールを使用しました。 レギンスは靴下よりも肌に当たる面積も多いので、 柔らかく肌になんのストレスもない素材がいいと思っていました。 雄大な自然の中で育ったニュージーランドメリノは、 光沢と白度が冨み、大きな湾曲のクリンプ形状による豊かな嵩高性と非常にソフトな風合いが特徴です。 また、メリノウールは紫外線から肌を守ると言われているのはご存知ですか? 紫外線遮蔽率が高い素材で、紫外線から皮膚を守ります。 肌を覆うレギンスはメリノウール素材が相性抜群。 ●使用シーズン ・夏のテント場(就寝時に) ・秋の紅葉時期(スカートやワンピースの下に) ・冬の雪山登山(パンツの下に) ・春先の残雪期(パンツの下に) 私は秋冬の季節にレギンスを主に使用します。 なので素材もメリノウールで、秋冬用途。 一応、夏も履けたけどフィット感があるので樹林帯は暑く、 稜線を出て風のある10℃前後の気温では特に問題なく快適でした。 ●重さ レギンスの重さは約67g。 とてもコンパクトで、防寒として1枚持っていくのにも躊躇わない重さ。 寒くて眠れるかの不安と、荷物を少しでも軽くしたい葛藤も、 なんの問題もなくお守りとして持っていける軽さ。 使わなくて持っていかなければ良かった、の後悔もない。 旅には、不安をかき消してくれる要素も、余裕も、余白も欲しい。 1つも妥協や勿体ぶったり、無理はしたくない。 テント泊や小屋泊時にも重宝するレギンス。 とてもフィット感があるので薄くても暖かいんです。 山で使う道具とは、しっかりと理由と意図があって、 可愛いから、だけではいけない身体を快適に守るプロダクトであって欲しい。 もちろん可愛いからだけでも問題ないかもしれないけど、 私は、自分が生み出すものにはしっかりと理由があるものにしたい。 高山植物図鑑だけでなく、laceflowerの靴下もずっとそうやって作ってきた。 そういった理由を自分自身に問いただしながら、 作って意味のあるものを、世に、人に、発信できるように。 誰かのためとなるように。 靴下の楽しさを伝えていけるように。

  • 山で履くレギンス、街で履くタイツ

    セカンドラインとして、 登山のシーンで主に履くアウトドア用のレッグウェアを 展開する" 高山植物図鑑 "より、新しい製品を開発しています。 開発がスタートしたのは、2021年6月。 高山植物図鑑の靴下をデビューした年。 靴下の次は何を作ろうと考える余地もなく、 レギンスの一択でした。 山で履く丸編み(サイドに縫製がない・股部分は縫製あり) 無縫製のレギンスを開発中。 丸編み機で編んだレギンス、タイツって、とても良いんですよ。 足になんの違和感もなく、フィットしてくれる。 ニット特有のフィット感が大好きです。 丸編みレギンスを山で履けたら良いなあとずっと思っていました。 私がレギンスを履くシーンは、 ・夏のテント場(就寝時に) ・秋の紅葉時期(スカートやワンピースの下に) ・冬の雪山登山(パンツの下に) ・春先の残雪期(パンツの下に) と、私の中でレギンスというアイテムは 結構登場シーンが多い。 登山を始めた当初は、 サポートが入ったモンベルのナイロン素材、着圧レギンスを履いていた。 足が疲れにくいと聞いて、確かに少しは疲れにくい感覚はあったけど、 着脱が面倒。締め付けが強すぎて余計に足が攣りそう。 着圧レギンスの疲れにくさに頼らなくても、 登山のレベルも上がり、歩き方など慣れてきて疲れにくくなった事から、 サポーター入りのレギンスから何もサポートが入っていない アイスブレーカーの【175 Everyday Merino Base Layer Leggings】 を履くようになった。 サポートが入っていないレギンスの快適さに驚き。 メリノウール100%という素材の点も良かった。 ただ、1点欠点があった。 それは縫製の為、フィット感が足りない。膝が出る(生地がたるむ)。 生地感の薄さもメリノ100%も完璧なのに、 履き心地のフィット感だけがずっと気になっていた。 そんなストーリーから次に作るアイテムは ウールの丸編みレギンス、一択だった。 色はチャコールグレー。 calvinkleinのタイツの色。 あとはいい感じのダークブラウンやダークネイビーも。 レギンスを作る機械は、 靴下よりも太ももから伸びを出さないといけないので、 靴下の編み機よりも機械の釜形状(大きさ)が異なり、 大きな釜がある機械でないと編み立てができません。 4インチ以上の釜形状の機械で編む事がほとんどです。 国内の靴下工場は軒並み減少傾向にありますが、 靴下よりもタイツレギンスの長物を編める工場さんは特に少なく、 とても貴重な存在です。 大好きなタイツの物作りが出来なくならないように、 なんとかこれからも継承して頂きたい。 ウールレギンスの拘っているポイントは、 丁度いい生地感(厚すぎない、薄すぎない)。 ここを一番拘っていて、暑くない履きやすい生地厚。 ピリング(毛玉)になりにくい。 フィット感がある。 ウエストのゴムも程よくきつすぎない。 などなど、とにかく拘りを詰め込んでいます。 1年半程、試作・修正・テストを何度も繰り返し、 ようやく思い描くレギンスに仕上がってきました。 開発に協力頂いているニッターさん、 本当に本当に感謝の気持ちです。 その工場さん、私の大好きな機械をたくさん持っていて、 なんだかマニアックな機械?が多くて。 レギンスは、320nという針数のかなりハイゲージ機械で編んでもらっています。 よく市場にある靴下は144nの針数が定番で多く、 それの二倍以上の針数なので、相当ハイゲージ。 ちなみに高山植物図鑑は200nの針数。 (なんのこっちゃですね、マニアックな話が止まらない。) レギンスを編む機械、320n機がいいとずっと思っていたのですが、 ただ、使いたいメリノウールの番手が過剰で糸がかからないから編み立てできないと ずっと言われ続けていました。 どうにかして何か方法はないかなと思った時、 昔、靴下メーカー時代に作った320nの綿混レギンスを思い出して。 同じ編み組織で一旦試しに編んでもらえないかとお願いしたら、 なんとなんと編めたんです。 靴下ではあまり使わない組織"交編編み"という組織。 簡単に言うと、メリノウールと裏糸(ナイロン・ポリウレタン)を 1コース毎に編み立てすること。 この編み組織、裏糸の部分にはメリノウールが通っていないので、 ある程度、通気性が出て登山時に向いていると思います。 laceflowerの方でも大変お世話になっているニッターさん。 本当に素敵な生地厚のメリノウールレギンスが 出来そうなので、合わせてタイツも製作中。 こんなハイゲージのメリノウールタイツは見た事ない! 靴下人生史上、最高のレギンス・タイツが生まれそう。 やっぱり、メリノウールって最高だ。 早くお披露目ができるよう、最終テストに向けて この冬はたくさん雪山登ろう。 レギンスと合わせて同時に、もう一つ開発しているものがあります。 これもまたまた最高な靴下になりそうなので、 改めて報告しますね。 靴下って楽しい。 靴下の楽しさ、快適さを伝えていけるように。 靴下が大好きです。

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