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空の検索で27件の結果が見つかりました。

  • North pole Lamb’s wool socks

    夏の灼熱の暑さが少しずつ和らぎ、過ごしやすい秋へ、季節が移り変わろうとしています。この秋冬、皆さまの足元を温めるソックスとタイツの新作をご用意いたしました。今シーズンも、たくさん想いを込めて作りました。あの人この色好きそうだな、あの靴、あの服に合わせたら可愛いな、あのコートに合わせたい。靴下単体ではなく、たくさんコーディネートしながら。誰に、いつ、どんな時に、靴下を作る時は靴下だけを見るのではなく、たくさんのシミュレーションをしながら靴下を作っています。 靴下はコーディネートの中では脇役、それも名脇役。裾から見えるか見えないか、足元の靴下の色によって、トータルコーディネートの見え方が全く違う。時には主役になれる時もあるlaceflowerのアイテムは、たまにはそんなポジションになってくれたら嬉しいな、と願いを込めて。この靴下にどんな服を合わせようかな、靴下から入るファッション、コーディネートって楽しい。そんな風に思って頂けるブランドになれるように。 ノースポールというお花があります。花言葉は「冬の訪れ」。laceflowerから冬の訪れをお知らせいたします。 "North pole Lamb's wool socks" 初めて、laceflowerから紡毛糸を使用した靴下を作りました。私はウールが大好き。冬に着るニットが大好き。そんなニットのような靴下を作りました。エクストラファインラムウール18.5μのウール糸。発色がとてもよく、なんといってもラムウール特有の柔らかい肌触り。この糸を使っていつか靴下を作りたいと、思い焦がれていました。糸に一目惚れすることはよくありますが、頭の片隅にあった小金毛糸さんのウール糸がずっとずっと、忘れられませんでした。(このネイビーの糸、とっても可愛いんです・・・!) "この糸に合った靴下"のデザインを考え、靴下編み機では編み出せないホールガーメントの編み地で作るセーターのような靴下を作ろう。手編みのニットのような穴あきのお花やケーブル柄、大好きな1×1リブ編みをローゲージでも取り入れました。1日に20足ほどしか編み立てが出来ずゆっくりゆっくり、手で編むように1足ずつ丁寧に編まれています。紡毛糸にホールガーメントの編み地、なんて贅沢な1足。 ※ラムウールとは 仔羊の毛のこと生後5〜7か月前後までのメリノ種の仔羊から刈り取られる羊毛。ウールよりも、更に繊維が細いため、光沢がありしなやかで保温性も高いことが特徴ラムウールの中でも最高峰といわれるジーロンラムウールはオーストラリアのジーロンで育てられた純血腫の生後6ヶ月頃の仔羊の羊毛で、品質、使い心地ともに高評価のラムウールです。ウールよりもラムウールの方が繊維が細く、チクチク感がありません。繊維の縮れも多いので空気をたくさん含み暖かい。そして軽く、柔らかく、ふんわりとした肌触り。ラムウールの風合いをかき消さないように、編み立てをした後、ソーピング(洗い工程)に何度も修正を重ね、柔らかいセーターのような風合いの靴下が編み上がりました。 余談ですが、靴下のソーピング(洗い工程)は、お洋服のニットと違い、ソーピング=油を落とす工程にすぎず、風合いを出すなどの加工はあまり行われていませんむしろ、縮むから縮まないように風合いを出さないようにするとのこと。せっかくの素敵な糸が死んでしまって、とても残念でした。揉み洗いというソーピング工程をし、やっとのこと、これぞラムウール!という風合いになりました。ラムウールの良さを体感頂けたら嬉しいです。洗うたびに、更に風合いがUPしてふわふわになりますよ。ただ、ウールはとっても洗い方がデリケートなため、縮まないように手洗いをおすすめしておりますお気に入りのセーターを洗うように、優しく丁寧に。 靴下の資材封筒の中には、リペア用の糸がついています。お洋服のニットのようにお直ししながら、長くご愛用いただけますように、と願いを込めて。ホールガーメントの靴下はお洋服と同じような感覚で作っています消耗品である靴下ではなく、ファッションの靴下として。 North pole Lamb's wool socks made in Japan (Nara) ¥3600+tax Lamb's wool 94% polyester 5% polyurethane 1%

  • North pole Lyocellwool tights

    久しぶりにタイツを作りました。タイツも、靴下に負けないくらい好き。冬にしか履けない特別な存在、身体に纏うレッグウェアの中で、一番ニットに近い感覚です。毎年、新しいタイツを新調して、冬支度をすると冬が来たとワクワクする。無地のリブタイツに負けないくらいシンプルで使いやすい、毛玉が出来にくい、どんなお洋服にも合わせやすい、あたたかいニットタイツが登場。 タイツは肌に当たる面積が多く、1日履いていて心地よい素材がとっても大切。適度に暖かくて、柔らかい肌触りの良いリヨセル素材を選びました。laceflowerのアイテムを知って頂いている方は、だんだん、馴染みが出てきていたら嬉しい、"リヨセル"素材。19S/S トーションレースレギンスでも、21A/W ニーハイソックスでも使用したリヨセル。リヨセルとウール素材が大好きなのです。 ※リヨセルとは ナイロンやポリエステルのように石油を原料としておらずユーカリ(木材)を特殊な溶剤で溶かして作られる(溶剤紡糸法)再生繊維です。繊維の断面が円形であることから強度が高く、湿潤時の収縮や強度の低下が少ない繊維。また、溶剤を回収して再利用するため、廃液が環境中に放出されず地球にも優しい繊維です。 タイツを作るとなったら、やっぱりリヨセルは絶対外せない。リヨセルの一番好きなところは肌触りがとてもいいところ。シルクのような、もしくはレーヨンのような、とろーんとした滑らかな肌触りがとても素敵で、化学繊維ではないので、肌に優しいところも好きです。あとは毛玉にもなりにくく、強度もあります。ただ、リヨセル100%だと摩擦に弱かったり、暖かさやボリューム感が足りなかったり、タイツで耐久性が損なわれることは避けたいと思い、リヨセル90%・ウール10%配合の素材を見つけました。大好きな素材の2つの組み合わせ。絶対絶対、素敵な風合いに上がるに決まってる。 機械はイルマックという編み機を使用しました。イルマック機とは、簡単に言うと穴あきレース編み柄をニットで編む事ができる機械です。condollのキッズレース編み靴下や、子供の頃によく履いたような柄表現ができる機械です柄の組み方がとっても大変で、既存の何種類もあるパターンから選び生産される事が多い中、今回は1から柄を作成くださいました複雑なレース柄にはせず、とても単調な柄シ ンプルでありながら細かい調整が何度も行われ、1年半かけて完成したイルマックのタイツ。昔はイルマック機が多く普及されておりましたが、現在では日本に数台しかないと言われています。 シンプルな柄タイツこそ、求めるシンプルなデザインの先には、生産背景ニッターさんによる物作り魂がない限り、完成できなかったなと思います。ぜひ、この冬はイルマックタイツを履いて寒い寒い冬を越してもらえたら嬉しいです。 North pole Lyocellwool tights made in Japan (Nara) ¥4000+tax Lyocell 74% Nylon 14% wool 9% polyurethane 3%

  • What's WOOL?

    メリノウールの話。 メリノウールとは、主にオーストラリアやニュージーランドで飼育されているメリノ種という羊の毛を用いたウール素材のこと。そのほかのウールに比べ、保温性が高く、数ある羊毛の中でも最も高級な羊毛です。 衣服においてウールは冬にとって欠かせない素材の1つです。「ウール=あったかい素材・冬に着るニット」など紡毛のイメージが強いかと思いますが、梳毛のとても細い番手のウール素材は、1年通して快適に過ごせる素材なんです。アウトドア(特に登山)をやっている人にとっては、ウール製品を実際に身につけ、フィールドでウールの良さを実感している方が多いかと思いますが、アウトドアに馴染みのない方にも、ぜひウールの素晴らしさをお伝えしたく、ウールについてお話しします。 ウールは人との相性がばっちりと呼ばれている天然繊維。古くから使用されている人間にとって身近な素材です。 point 1 –冬は暖かく、夏は涼しい、天然のエアコン素材– セーターや厚手の靴下など、ウールというと「体をあたためる」素材というイメージが強いかもしれません。多くの人が知るように、ウールの衣服を纏うとあたたかくなる。では、”夏は涼しい”とはどういうことだろう? point 2 –ウールの繊維– ウールの繊維形状は1本1本の繊維がチリチリと縮れており、空気の層が出来ています。この縮れ(クリンプ)こそがウール最大の秘密で、約60%もの空気を含んでいます。空気は、断熱性が高い物質でこの空気層が外気を遮断し、体を暑さ・寒さから守ってくれます。住宅に例えると断熱材と同じ働きをし、高断熱の住宅は冬はあたたかく・夏も快適に過ごせますよね。それと同じでウールの衣服を身につけると冬は暖かく感じ、夏も涼しく過ごすことができるのです。 point 3 –消臭性と防臭性– ウール繊維は構造的に繊維の内側に水分を吸収し、繊維の表面で水をはじく作用があります。ウールは構造上、繊維の表面に水分が残りにくいため、臭いの原因となるバクテリアや菌の繁殖も起きづらいのです。また、ある種の臭い成分を繊維内部に吸着する働きもあります。汗をかいてもウール素材は汗臭さが発生しにくいと言われる理由は、こうした働きによるものです。ウールの持つ構造が、温度調節と、消臭・防臭の働きをしてくれているのです。登山で3日続けて着続けても匂わない。 point 4 –ウールのμ数– ストロングメリノ  23~25μ ミドルメリノ 20~22μ ファインメリノ 20~21μ エクストラファインメリノ 18.5~19.5μ スーパー エクストラファインメリノ 17.5~16.5μ 羊毛の繊維の太さはマイクロン(μ)という繊維の細さをもとに換算されています。糸の太さは番手やデニール、デシテックスなどで表しますが、繊維の太さはマイクロンで表示します。マイクロンの数字が小さいほど繊維が細くしなやか。人間の髪の毛は70~80μ程なので比べるとウールがどれほど細いか、わかりやすい。ウールって暖かいけど、あのチクチクした感じが苦手という方も多いと思います。あのチクチクした不快感はμカウント数が大きいウールの繊維調を使っているからなのです。ウール繊維の先が肌を刺激するので、繊維が太いほどチクチクします。「ファインメリノ」以上は、ウールの中でも極めて繊維が細くやわらかいので、驚くほど肌ざわりがよく不快なチクチク感もありません。 2019年 タスマニアウールセンター メリノウール素材は、通年通して快適に過ごせる繊維です。登山時ではなくても、夏場の暑い季節も、梅雨のジメジメした季節も、冬の寒い季節も、どんな時も人間の身体に寄り添ってくれる繊維なのです。メリノウールを知って、人生得した気分。身に纏うだけで快適に過ごせる。

  • 山で履くレギンス、街で履くタイツ

    セカンドラインとして、登山のシーンで主に履くアウトドア用のレッグウェアを 展開する" 高山植物図鑑 "より、新しい製品を開発しています。開発がスタートしたのは、2021年6月。高山植物図鑑の靴下をデビューした年。靴下の次は何を作ろうと考える余地もなく、レギンスの一択でした。山で履く丸編み(サイドに縫製がない・股部分は縫製あり)無縫製のレギンスを開発中。丸編み機で編んだレギンス、タイツって、とても良いんですよ。足になんの違和感もなく、フィットしてくれる。ニット特有のフィット感が大好きです。丸編みレギンスを山で履けたら良いなあとずっと思っていました。 私がレギンスを履くシーンは、 ・夏のテント場(就寝時に) ・秋の紅葉時期(スカートやワンピースの下に) ・冬の雪山登山(パンツの下に) ・春先の残雪期(パンツの下に) と、私の中でレギンスというアイテムは結構登場シーンが多い。 登山を始めた当初は、サポートが入ったモンベルのナイロン素材、着圧レギンスを履いていた。足が疲れにくいと聞いて、確かに少しは疲れにくい感覚はあったけど、着脱が面倒。締め付けが強すぎて余計に足が攣りそう。着圧レギンスの疲れにくさに頼らなくても、登山のレベルも上がり、歩き方など慣れてきて疲れにくくなった事から、サポーター入りのレギンスから何もサポートが入っていないアイスブレーカーの【175 Everyday Merino Base Layer Leggings】を履くようになった。サポートが入っていないレギンスの快適さに驚き。 メリノウール100%という素材の点も良かった。ただ、1点欠点があった。それは縫製の為、フィット感が足りない。膝が出る(生地がたるむ)。生地感の薄さもメリノ100%も完璧なのに、履き心地のフィット感だけがずっと気になっていた。 そんなストーリーから次に作るアイテムはウールの丸編みレギンス、一択だった。色はチャコールグレー。calvinkleinのタイツの色。あとはいい感じのダークブラウンやダークネイビーも。 レギンスを作る機械は、靴下よりも太ももから伸びを出さないといけないので、靴下の編み機よりも機械の釜形状(大きさ)が異なり、大きな釜がある機械でないと編み立てができません。4インチ以上の釜形状の機械で編む事がほとんどです。国内の靴下工場は軒並み減少傾向にありますが、靴下よりもタイツレギンスの長物を編める工場さんは特に少なく、とても貴重な存在です。大好きなタイツの物作りが出来なくならないように、なんとかこれからも継承して頂きたい。 ウールレギンスの拘っているポイントは、丁度いい生地感(厚すぎない、薄すぎない)。ここを一番拘っていて、暑くない履きやすい生地厚。ピリング(毛玉)になりにくい。フィット感がある。ウエストのゴムも程よくきつすぎない。 などなど、とにかく拘りを詰め込んでいます。1年半程、試作・修正・テストを何度も繰り返し、ようやく思い描くレギンスに仕上がってきました。開発に協力頂いているニッターさん、本当に本当に感謝の気持ちです。その工場さん、私の大好きな機械をたくさん持っていて、なんだかマニアックな機械?が多くて。 レギンスは、320nという針数のかなりハイゲージ機械で編んでもらっています。よく市場にある靴下は144nの針数が定番で多く、それの二倍以上の針数なので、相当ハイゲージ。ちなみに高山植物図鑑は200nの針数。(なんのこっちゃですね、マニアックな話が止まらない。) レギンスを編む機械、320n機がいいとずっと思っていたのですが、ただ、使いたいメリノウールの番手が過剰で糸がかからないから編み立てできないとずっと言われ続けていました。どうにかして何か方法はないかなと思った時、昔、靴下メーカー時代に作った320nの綿混レギンスを思い出して。同じ編み組織で一旦試しに編んでもらえないかとお願いしたら、なんとなんと編めたんです。靴下ではあまり使わない組織"交編編み"という組織。簡単に言うと、メリノウールと裏糸(ナイロン・ポリウレタン)を1コース毎に編み立てすること。この編み組織、裏糸の部分にはメリノウールが通っていないので、ある程度、通気性が出て登山時に向いていると思います。 laceflowerの方でも大変お世話になっているニッターさん。 本当に素敵な生地厚のメリノウールレギンスが出来そうなので、合わせてタイツも製作中。こんなハイゲージのメリノウールタイツは見た事ない!靴下人生史上、最高のレギンス・タイツが生まれそう。やっぱり、メリノウールって最高だ。早くお披露目ができるよう、最終テストに向けてこの冬はたくさん雪山登ろう。レギンスと合わせて同時に、もう一つ開発しているものがあります。これもまたまた最高な靴下になりそうなので、改めて報告しますね。 靴下って楽しい。靴下の楽しさ、快適さを伝えていけるように。 靴下が大好きです。

  • レースフラワー

    'laceflower' ブランドネーム由来はレースフラワーという花の名前から名付けました。花束に添えられいる名脇役な花。 靴下も名脇役で、通ずるものがある。レースフラワーは白が代表的なイメージですが、実は様々な色があって。写真のようなピンク色やブラックレース、ブルーレース…様々なレースフラワーがあります。レースフラワーのように、コーディネートのポイントに、花束に1輪添えるように、レースフラワーの靴下を手にとってもらえますように。 花言葉は、可憐な心、繊細、細やかな愛。んー、なんて女性的で女性そのものなのだろう。繊細だし、細かいし、細やかな愛を注げるし、綺麗で可憐な心を持っていると思います。レースフラワーの製品は、好きな花モチーフを取り入れる事が多いですが、レースのように繊細で上品な靴下を編み立てすること。これが1番の製品コンセプト。素材の繊細やだったり、贅沢な(生産スピードを落としてゆっくり編み立てしている)機械だとか。靴下を作る上でサンプルが上がったとき、繊細か、上品か、履いた瞬間に贅沢!と感じるか。 物に溢れている今だからこそ。私(レースフラワー)が作る意味ある製品だろうか。そこまで自分と製品に納得をして、ものつくりをすること。とても大事にしています。靴下と向き合うためには、レースフラワーの存在がとても大事。 2019年 コペンハーゲンのTORVEHALLERNEKBHマーケットのレースフラワー

  • Ultra fine merinowool tights

    laceflowersocksのコンセプト、 “ 繊細で上品 “。 きっと、この言葉がしっくりくる、laceflowerの定番タイツが編み上がりました。足が綺麗に見える、極薄のメリノウールタイツ。こんなに薄手のメリノウールのタイツは、私もまだ見たことがない。無地のレッグウェアは、私(laceflower)が作る物ではないかな、となんとなく、ブランドコンセプトを辿った上で思っていた。市場にもたくさん上質で素敵な無地のレッグウェアが溢れているから、ここから生まれるものではないのかなあと、無地のアイテムに一線を置いてしまっていた。でも、1つすごく欲しいものがあった。極薄手のメリノウール素材を使用した丸編みのレギンス。縫製ではなく丸編み機を使用した着用感抜群のもの。薄手×メリノウール素材に特化した開発をした経緯は、登山時に履く丸編みタイプのレギンス(メリノウール素材)が市場になく、レギンスの開発を始めた経緯からでした。 企画を進める中でコンセプトポイントは3つ。 ・メリノウールで薄い ・毛玉にならない ・足が綺麗に見える なんでも私はコンセプトという物を大事にしている。自分ノートに書き出す作業。なんで作っていたんだっけ?どんなものに仕上げたいんだっけ?途中で、何を作っているのか見失わないように、自分に問い正す気持ちで。その時の可愛い欲しい、の突発的な気持ちと見切り発車をしないように。(意外と慎重に細かく、進めていきたい派です)いざ、レギンスを開発して進めていったところ、私の知識や経験不足で機種選定を誤ってしまったり、素材が悪いのかな?と思い、強撚糸加工をしたり、リヨセルとウールを撚糸したり、とにかく色々と試作を進めていった。全然納得のいく生地感にならず、ずっと野暮ったいレギンスが上がってしまった。もう機械を変えて、ウールの番手も変えるしかない。けど、番手がオーバー番手で編み立てが出来ないと言われている。1/72番手よりも細いメリノウールを探すしかないか…。国内で流通している1/72より細い番手のメリノウールはなかったので、海外から糸を買うか…。と思っていた矢先、昔メーカー時代に作ったタイツをふと思い出した。とても薄くていい感じに作れた中国製で作ったタイツ。 同じ原理で素材を変えて作ってみたらどうなんだろう?番手はオーバーで編み立てできないとずっと断られていた工場さんに再度サンプルを見せて相談をしてみた。恐らくオーバー番手だけど、1回試作で編んでみようとなった。「編めました」と、機械の調整等で時間はかかってしまったが、出来ないことが出来ることになった瞬間。これって、私以外の何者かが依頼しなかったら、一生この工場ではこの仕様が生まれなかったということ?と思うと、物が生まれるということは生産現場だけの力では生まれないものがあるのだと思い知らされた瞬間でもあった。お互いの経験や、挑戦する物作りへの心得。色々なことを思い、感じた企画だった。 8回目のサンプルにしてやっと思い描いてた、コンセプトに沿ったものが編み上がった。(毛玉にならないポイントもなんらくクリア) 最高の編み地で作れた。せっかくだからレギンスだけではなくてタイツも作ろう。このタイツはlaceflowerらしい編み地だと見た瞬間から感じた。こうして、試行錯誤をして出来上がったレギンスから始まった、定番の新作タイツ。 工場に依頼をして物を作る。どうしても、物作りの現場においては、依頼をしている企画発端者(ブランド)の力が大きく見えがち。大量生産をしている現場では少なくともそういう傾向がある。何か不良品などの問題があれば工場の責任。全て工場が下請けとなって責任も負う。もちろん技術のプロとして自信を持った商品を工場には提案をしてもらいたい、というブランドからの意見もわからなくはないが、けど対等で在りたい。責任も一緒に負うし、だから物作りの開発も一緒にして欲しい。だから、私は技術の方とも話がしたい。依頼を受けたものをそのままの通りに作るのではなく、こうした方がもっと良くなるのでは?という提案がないと、日本で作る意味というものがなくなっていくように思う。(依頼されたものを忠実に作るのは中国の方がレベルが凄いと思う…小声)とはいえ、日本の靴下工場を今も尚守っている工場を、本当に尊敬しています。 最新技術を駆使すれば、技術者が育てば、海外でもいい商品を作れる。現状、残念ながら中国やタイなどの大量生産型の海外工場のレベルも上がってきた。機械も最新の機種を多く取り揃えているので、進化が早い。日本製靴下もこれからもしっかり日本製品の誇りとして、 技術を高め、守っていって欲しい。その手助けに少しでもなれるように、私もこれからも日々勉強をしていく。靴下の勉強を。 laceflowersocksより、新しい花を咲かせましょう。

  • Ultra fine merinowool leggings

    山で履くレギンスが編み上がりました。 私が作る物作り(レッグウェア)において、大切にしていること。 “繊細で上品” “大切に扱いたい” ”素材の良さ” 最近、1つ追加された項目がある。 くつ下の読本という昭和39年に発行されたとてもマニアックな本を1万円で購入した。当時の定価650円。内容は靴下の総論から原料、糸捲(マニアックすぎ…)、編み立て、靴下機の種類など、後半になるにつれて技術者向けの難易度たかめのとにかくマニアック。その本に書いてあった第6章、 「靴下の使命とはきよいくつ下とは」 靴下の使命 1)保温 2)足の保護 3)くつをはく場合、滑りをよくして、はきやすくさせる 4)くつと共に歩行の場合の衝撃を全身に与えないようにする 5)足に美観を添えて、はく人の高尚度を高めると思う 最後の「足に美観を添えて、はく人の高尚度を高める」。私の作る靴下はこれだ。と改めて気付かされた一行だった。 今回作ったレギンスの意図としては、私の山行においてレギンスとは年中使い勝手のいいギアの一つであった事。市場にはメリノウール素材で作られた無縫製のレギンスがなかった事。(いい生地感、薄さの)黒が多いこと。カルヴァンクラインのチャコールグレーのタイツのような、服や肌に馴染みがいいカラー展開がなかったこと。全てをクリアできたレギンスがこの秋、高山植物図鑑からリリース。レギンスについても拘りポイントがありすぎる程にたくさん詰め込んでいます。長いので、通勤時などにぜひ。 ●無縫製・ニット(丸編み)ということ 無縫製(丸編み機)のウール素材を使用して編み立てすることは全く問題なくクリアできる問題だったのですが、“ちょうどいい生地感・薄くて毛玉にならない”という2点が絶対条件の項目でした。私が普段使用している生地縫製のアイスブレーカー175 Everyday Merino Base Layer Leggingsは、3年余り使用しているが、全く毛玉にならない。ニットよりも生地の方がもちろん毛玉になりづらいのが良さ。 生地の厚さもちょうどいい。生地じゃなくてニットなら…。これがニットだったら私は恐らくレギンスを作っていなかっただろう。 無縫製というのは、サイドに縫製がありません。(股部分のみ縫製)生地縫製だと、どうしてもフィット感が足らなかったり、膝が出て野暮ったい。足が綺麗に見えない。(縫製ならではのゆったり感が好ましい場合もある)レッグウェアのデザイナーはみんな丸編みが好き。だと思ってる!靴下が大好きだけど、冬に履くフィット感のあるタイツも大好きで。タイツのような感覚で、薄くて暖かい足が綺麗に見える山で履くレギンスがあったら最高。と思い、ニットで編み立てをしました。 ●ニットの薄さ 厚すぎると、行動中暑い。ニットなのでフィット感がとてもあるため、厚いと皮膚が呼吸していない感覚。(登山だとより感じた)ほど良い薄さに拘りました。編み地の組織「交編編み」という編み地を取り入れました。使用した機械は320N(320本の針が一周ぐるりとある機械の事)←マニアック…。この機械は丸編み機の中でも最もハイゲージで、靴下よりはパンストなどによく使われるはず。国内だとなかなか珍しいゲージの機械。この機械を使いたかったのですが、一番細いウール番手(1/72)でも糸が太すぎて編立ができないと言われた。通常は表糸(ウール)+裏糸(ナイロン)を当時に編むのですが、同時ではなく、交編編みならできるのでは?とふと思いついた。表糸(ウール)と裏糸(ナイロン)を同時に編むのではなく交互に編む組織のこと。ウールで交編編みはやったことがなく、機械の調整に時間がかかるけど、やってみようとなった。そしたら、なんと編めたのだ!ここから修正や微修正を含めて8回目の修正でやっと編み地が完成した。成し遂げた感とニッターさんが諦めずに呆れずに(もしかしたら呆れているかも…)一緒に作ってくれたことに本当に感謝。奇跡の編み地だと思います。工場さんも初めてやった技術と素材の組み合わせ。 ●素材について CROCE-NZ(NIKKE /日本毛織)高級ウール「Ultra fine wool」に分類される 17.5μ (Super 120)のニュージーランドメリノウールを使用しました。レギンスは靴下よりも肌に当たる面積も多いので、柔らかく肌になんのストレスもない素材がいいと思っていました。雄大な自然の中で育ったニュージーランドメリノは、光沢と白度が冨み、大きな湾曲のクリンプ形状による豊かな嵩高性と非常にソフトな風合いが特徴です。また、メリノウールは紫外線から肌を守ると言われているのはご存知ですか?紫外線遮蔽率が高い素材で、紫外線から皮膚を守ります。肌を覆うレギンスはメリノウール素材が相性抜群。 ●使用シーズン ・夏のテント場(就寝時に) ・秋の紅葉時期(スカートやワンピースの下に) ・冬の雪山登山(パンツの下に) ・春先の残雪期(パンツの下に) 私は秋冬の季節にレギンスを主に使用します。なので素材もメリノウールで、秋冬用途。一応、夏も履けたけどフィット感があるので樹林帯は暑く、稜線を出て風のある10℃前後の気温では特に問題なく快適でした。 ●重さ レギンスの重さは約67g。とてもコンパクトで、防寒として1枚持っていくのにも躊躇わない重さ。寒くて眠れるかの不安と、荷物を少しでも軽くしたい葛藤も、なんの問題もなくお守りとして持っていける軽さ。使わなくて持っていかなければ良かった、の後悔もない。旅には、不安をかき消してくれる要素も、余裕も、余白も欲しい。1つも妥協や勿体ぶったり、無理はしたくない。テント泊や小屋泊時にも重宝するレギンス。とてもフィット感があるので薄くても暖かいんです。 山で使う道具とは、しっかりと理由と意図があって、可愛いから、だけではいけない身体を快適に守るプロダクトであって欲しい。もちろん可愛いからだけでも問題ないかもしれないけど、私は、自分が生み出すものにはしっかりと理由があるものにしたい。高山植物図鑑だけでなく、laceflowerの靴下もずっとそうやって作ってきた。そういった理由を自分自身に問いただしながら、作って意味のあるものを、世に、人に、発信できるように。 誰かのためとなるように。靴下の楽しさを伝えていけるように。

  • Flowers of lceland on the LaugavegurTrail .

    Flowers of lceland on the LaugavegurTrail . 8月末、アイスランドにある全長55kmのトレイルずっと憧れだった“Laugavegur”を歩いてきた。アイスランドのトレイルには木が植生しておらず緑のものは黄緑色をした苔たち。森もない、木もほとんど生息しない火山地帯だが、時折草や花に出会った。 火山帯の少し寂れたかっこいい風景に急に花が現れ、日本の山の青々とした樹林帯や稜線上の中で生きる花と違ったより、逞しく、儚く見えたのはこのアイスランドという地形が作るとてつもなく広大でかっこいい景色だから。 - シレネ・ユニフローラ ナデシコ科 マンテマ属 学名:Silene uniflora (英名Silene maritima) 原産地:西ヨーロッパ~マデイラ諸島~アイスランド~バルト海沿岸地方 ヨーロッパに分布するナデシコ科の耐寒性多年草。伸びた茎の先に釣鐘状の可愛い花を咲かせ、花を咲かせます。沿岸部の崖や砂地などに自生していることもあり、乾燥している場所を好むそう。 とっても、とっても、可愛かった…。日本に戻って一番に調べた花。ネットで鉢植えを見つけたので、育ててみようかな。 - シレネ・アカウテス ナデシコ科 マンテマ属 学名: Silene acaulis (英名 Moss campion ) 原産地: ヨーロッパアルプス や ピレネー山脈 地方 日当たりのよい草地や岩場に生え、高さは1〜3cmほど。和名では「苔マンテマ」と呼ばれる。 レイキャビクの街の本屋さんでアイスランドに咲く花が描かれたポスターを買った。その中にもいた。イラストにしてもかわいい。たくさん咲いているとよりかわいいね。 早くこの絵が似合う額を買わなきゃ。アイスランドの花、繊細で逞しくて、美しかった。花のうつくしさは、世界共通なんだなあ。 2023.8.19~28 Iceland Laugavegur Trail.

  • What's wool? part2

    “ウールは肌に良い” ウールはチクチクして、敏感肌だから着れない。 痒くなってしまって難しい。 と思いがちではないでしょうか? ×:ウール=肌に刺激的 ◯:ウール=肌に良い 最近発表された研究によって、スーパーファイン・メリノウールを素肌に直接着用することが、湿疹患者に改善効果をもたらすことが示されました。メリノウールが健康やウェルビーイングに効果的であることを裏付ける研究結果は増えており、今回の研究もそれを裏付けるもの。(ザ・ウールカンパニーより) 世界中から選ばれた医療専門家のグループが豊本100年間に出産された論文を再考察し、ウールがアレルギーを引き起こすとする科学研究を検証。この新たな分析によって、ウールがアレルギー源であるという証拠は見つかりませんでした。ザ・ウールマーク・カンパニーのサポートを受けて、ウールをアレルギー源とする説を否定する2つの論文が作成され、高い評価を得ているインターナショナル・ジャーナルに出版される予定になっています。この論文は、ウールをアレルギー源とする一部の人々の誤解を解き、適切に選ばれたスーパーファイン・メリノウール製品が、特に敏感な皮膚をもつ人々の皮膚の健康に役立つということを示す、ザ・ウールマーク・カンパニーの戦路によるものです。 重要なことに、衣類によって引き起こされる皮膚への刺激は、 生地から突出している粗い繊維(直径30マイクロン以上)によるものであり、 繊維の種類は関係ないということが明らかになりました。 皮膚への刺激は粗いウール繊維同様、粗い合成繊維によっても容易に引き起こされ、また、現在の業界の慣行を考慮すると、今日のウール製品に加工段階で行えするアレルギー源は最低限であり、アレルギー反応が引き起こされる可能性は低いということが明らかにされました。 ウールが湿疹患者にどのように役立つか 暑くても寒くても、湿っていても、乾いていても、メリノウールの衣類はコットンの2倍、ポリエステルの40倍の水蒸気を吸収して放出する能力があり、一般的なアパレル衣類の中で最も通気性があります。スーパーファイン・メリノウールは、肌の隣に着用すると、ダイナミック・バッファーとして機能し、肌が乾燥しすぎている人にとって、第二の肌のように機能するようです。 ウールによる湿疹症状の軽減が研究結果で証明されました 最新の4つの皮膚科学試験では、乳児、思春期、成人の湿疹に罹患している人が、スーパーファイン・メリノウールの衣類を皮膚に直接着用すると症状が軽減することが報告されています。 アトピー性皮膚炎の重症度と症状について、平均繊維径≤17.5mmのスーパーファイン・メリノウールの衣服を1日6時間以上、6週間着用することのメリットを示しました。さらに、患者の刺激やかゆみ、痛みのある皮膚症状が大きく減少し、また出血、じくじくとした化膿、皮膚のはがれ、乾燥または肌荒れなどを伴う症状が減少したと報告しました。 ザ・ウールマーク・カンパニーの記事にて、より詳しく掲載されております。 https://www.woolmark.jp/industry/research/wool-eczema/ 今回、laceflowerと高山植物図鑑より発売されるUltra fine merinowool に使用している素材は、高級ウール「Ultra fine wool」に分類される 17.5μ (Super 120)のニュージーランドメリノウールを使用しています。ウールの概念がだいぶ覆されました。それほど、梳毛の細番手(17.5μ)のウールは素晴らしい。知れば知るほど、好きになるメリノウール。もっとアウトドアのシーン以外でも日常的に使われるアイテムとなったらいいな。 pic / タスマニアウールセンター(Tasmania・Ross)

  • Hakusanfuuro / baselyer socks

    足のムレ・冷えを防ぐ足袋靴下が編み上がりました冬山のとき、厚手靴下の下に履く“ベースレイヤーソックス”と言います。 インナーだけではなく真冬以外は普段履きとして1枚で使える靴下。表側には保温性や消臭効果があるウール素材を裏側にはキュプラという吸放湿性に優れた素材を組み合わせ、足のムレを軽減してくれる靴の中が快適になる1足。薄くてもすぐに穴があかない強度のある靴下が誕生しました。 <使い方について> for hiker… ・冬山、雪のシーズン足先が冷えてしまう方へ ・厚手のウールソックスを履くと靴の中が汗でムレてしまう方へ ・秋冬の低山で高山植物図鑑だと少し寒いという方へ (高山植物図鑑との重ね履きも相性◎) Not for hiker… ・夏〜秋:1枚履きとして快適に使えます ・冬:寒い季節にいつもの靴下のインナーソックスとしてお使い頂けます <靴下の素材について> みなさん、キュプラ(ベンベルグ)という素材はご存知ですか?高級スーツの裏地などによく使われるツルツルとした素材で、原料はコットンの種の周りにあるコットンリンターという綿毛が原料となっている再生繊維です。昔から大好きな素材です。キュプラを表糸に使用した一輪のばらというお気に入りの品番があった。そのキュプラを、今回は裏側(スーツの裏地のよう)に使用しました。肌触りも最高な故、素材特有の特徴が素晴らしいのです。一つずつ、丁寧に説明してゆきますね。 まず、表糸にはmerino wool 100%。AUS /NZ のブレンドされたAUTHENTICOという糸を使用(靴下は、表糸+裏糸+ゴム糸でほとんどの製品が編まれますよ、覚えてね)。バルキー性に優れたニュージーランドメリノと、膨らみのある豪州メリノウールをブレンドすることにより白度に優れ、クリンプ(縮れ)が強いため、綺麗な光沢と膨らみが特徴なAUTHENTICO。裏糸(肌に当たる面)にはキュプラを使用しました。コットンリンターを原料とする再生繊維で、キュプラはスーツの裏地などに主に使われベンベルグ®と呼ばれることもありますが、ベンベルグ®は、旭化成が持つ商標になります。まさに、表面は上質なウール、裏面はキュプラを使用した高級スーツのような仕立てで編立した1足。 ※コットンリンター・・・ コットンの種の周りのうぶ毛のこと 通常綿糸としては使われなかった部分を精製・溶解して糸にしています   ■ 表糸:AUTHENTICO(ウール)の特徴 ・毛玉ができにくい ・汗をよく吸い、すぐに乾く ・消臭効果がある ・摩擦に強く、綺麗が長持ちする ■裏糸:キュプラの特徴 ・吸放湿性に優れている ・「呼吸するような」繊維 ・湿気を吸って外に放出するのでムレにくい ・繊維内の水分を介し、静電気を空気中へ逃すため、  制電性に優れている <キュプラの作用について> ・足の裏が湿った状態ではなくサラッとしてくれます ・吸放湿性には優れておりゆっくりゆっくり肌と調湿をし吸収した湿気をゆっくり熱を逃さずに放散してくれます ・水分が多い繊維の為、靴下を脱いだ後に靴下が多少湿っている事がございます ・ポリエステルほどの吸水・速乾性はございませんが湿気を吸い取り、  拡散放散させる作用はポリエステル素材よりも上回る特性がございます ※吸放湿性・・・ 生地がどれだけ湿気を吸収しやすいか また吸収した湿気をどれだけ放散しやすいかということ ベンベルグ、素晴らしい素材なんです。さらにベンベルグは世界で唯一 日本の旭化成だけが生産している素材なのです。ベンベルグが誕生したのは化学繊維が開発されたばかりの19世紀後半のドイツで、旭化成は、ベンベルグ社が開発したその技術を導入し、研究を経て日本で初めて生産に成功。研究と技術の革新により、現在は、世界で唯一、日本の旭化成だけしか生産していない素材です。素晴らしい素材、これからも大切にしたい素材の一つです。 冬・雪山となると、登山の難易度も上級になって、ギアも増え、レベルが格段にアップ。なんちゃって、のような安易に物を作れない オールシーズン登山道具は簡単にものを作ってはいけないと思っていますが、冬山に使用する製品となると、より緊張感があります。 いつもは自分の足を信じて、何度もモニターをして、山に入ってテストを行いますが、今回だけは自分の感覚、足だけでは無防備に製品化することが出来ず、素材を2種類に選定して生地検査の比較試験を行った。数字という苦手なものが、いつにも増して頼り甲斐のあるものとなった。数学が好きなひとの気持ち、答えがあるというものは気持ちがよい。数字には嘘がない、今回の学び。 素材は、以下の2種類 【1】表糸:メリノウール+裏糸:異形断面のポリステル100% 【2】表糸:メリノウール+裏糸:ベンベルグ100% (※以下、【1】【2】と表記させていただく) 試験内容は、 ①摩擦試験  …摩耗で孔があき、機械が停止したときの回数(通常の靴下は500回) ②吸放湿性試験  …生地がどれだけ湿気を吸収しやすいか、また吸収した湿気をどれだけ放散しやすいかを評価するために行う試験 ③拡散性水分率  …生地の速乾性のみを評価する試験です。一般的にJISの吸水性試験の結果と組み合わせて、吸水速乾性の評価を行う場合が多いです  一般的に、滴下法は織物が 60 秒以下で編物が 10 秒以下、バイレック法は 80 mm以上が良いとされることが多く  また、拡散性残留水分率は  60分後に 30%以下 であることが目安とされています ④吸水性試験  …吸水速乾性(または吸汗速乾性)とは、スポーツ等でかいた汗を素早く吸収し、素早く乾燥させる性能をいいます 試験結果は以下の内容となった ①摩擦試験の結果  【1】2531回  【2】3004回 強度については、生地に摩擦をかけ、何回で破れるかという摩擦強度試験内容 通常仕様の靴下と比べ6倍の強度結果が出ております(3004回の摩擦で穴があいたという試験データ) 薄手ですが、しっかり強度がありました ②吸放湿試験の結果 (25℃・湿度80RHの環境で試験データ)  【1】777μg  【2】1298μg 吸放湿試験とは、湿気を素早く吸い取り、放湿(外に逃がす)というデータ 数字が大きいほどに放湿するデータが良いのでベンベルグの方が上回る結果に ③拡散性水分率の結果 (生地に水分が残っていない状態になるのが何分後かというデータ)  【1】47.4分  【2】41.3分 ④吸水性試験の結果 (生地に水滴を垂らし、生地が水を吸い上げサラッとする状態まで何秒か)  【1】2秒  【2】3秒 拡散性水分率、吸水性ともに吸水速乾性の良いポリエステルとの比較だと両者ともに良いデータだった。通常の靴下だと、生地に水分が30%残っている状態が60分後なら良いとされ、今回の生地は2種類とも40分台で0%という優秀な結果。比較を行いどちらも捉え方としては良い結果のデータが取れて、自信に繋がった。最終ジャッチはこの結果を踏まえ、あとは履き心地、私の足裏の感覚のみこうなるとベンベルグの1択だった。試験を出す前からベンベルグで製品化したいと思っていました。でも、登山道具でベンベルグを使用している製品がほとんどなく、登山時には見合ってないのかな?と不安だった。けど、この試験結果を見たら優秀だったし、テストの足裏が蒸れる感覚もなかった。何より、履き心地が素晴らしかったやっぱりベンベルグ、最高だよね。という私の好きな素材を信じて出来上がったものだ。 あとは、見えても見えなくても自分だけが知るお守りの刺繍。山に咲く高山植物のハクサンフウロの刺繍を入れた。この刺繍の糸も、肌に当たって痛くならないように、柔らかく、手縫いのようなざっくり感を出したくて刺繍の糸を探した。探したら、なんとこの糸もベンベルグ! ベンベルグ、最高!

  • Kew garden

    2025年4月。私が、植物をより好きになったきっかけでもあるキューガーデン。憧れの場所へ行ってきた。 パームハウス:19世紀のヴィクトリア様式のガラス温室 キュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)は、イギリス・ロンドン南西部リッチモンドに位置する、世界規模と歴史を誇る植物園。ユネスコ世界文化遺産にも登録されている世界最大級の植物研究機関のひとつ。植物は5万種も収蔵されています。ただの植物園ではなく、約100名以上の植物学者や微生物学者、遺伝学者などが在籍して植物多様性、絶滅危惧種の保全、薬用植物の研究などに取り組んでいる場所です。 私の大好きなボタニカルアート(植物画)たちは、ここキューから生まれたといっても過言ではありません。17世紀から現代に至るまでの植物画、植物図譜、科学的スケッチが20万点以上も所蔵されています。精緻で美しいだけではない植物学的に正確な記録として必要とされた植物画。単なる美術ではなく、植物の構造や分類、進化の理解を深める科学資料として活用され、デザインやアートの世界ではない科学者の指示によって忠実に再現して描かなくてはいけないものとして活用されていました。 この場所からたくさんの植物が発見され、植物画にし、今もなお植物の保護活動をしていると思うと、ドキドキワクワク以上の、言葉にはできない胸の高鳴りを感じた…ついにこのパームハウスに足を踏み入れてしまった。鋳鉄とガラスでできた植物を守るための大聖堂。熱帯雨林の植物ヤシ、バナナ、カカオ、コーヒー、超巨大なシダなど、普通イギリスじゃ絶対育たない植物たちが育っていた。中はめちゃくちゃ蒸し暑い。常に高温多湿に保たれていて、ジャングルの中を歩いてるみたい。 憧れの場所に足を踏み入れたとき、一体どんな感情になるのかな…と、朝少し緊張していた。たくさんの種類の植物たちを、目で追い、記憶として頭の隅々にしまっておくのが大変一苦労で、緊張はあっという間にどこかへいってしまっていた。 植物たち以外にも、もう一つ楽しみにしていた場所が、Marianne North Gallery。イギリス人の植物画家・探検家・女性先駆者のマリアン・ノース。自身で世界各国を旅し、描いた絵を全てギャラリーに寄贈し、彼女は1000点以上このギャラリーに収めました。今では、女性が一人で旅をすることは普通のことですが、当時のビクトリア朝時代では、女性が単身で世界を旅し記録することは極めて異例のことだったそうです。 「女性先駆者(female pioneer)」とは、自分の時代において、女性として初めてある分野を切り拓いた人を指します。社会的に女性の活動が制限されていた時代に、勇気と情熱をもって新しい道を進んだ女性たちのこと。女性も旅をし、研究し、芸術や科学で活躍できるというロールモデルを作った素晴らしい勇者。本当に、かっこいいです。「女性だから無理」と言われていたことを、自らの行動で変えた一人です。私も、一人の女性として今こうして何かに打ち込めているのは、紛れもなく先代に続く素晴らしい女性たちが、こうして常識や概念を突破し、社会へ貢献してきたからこそ、生きていけるのだと、尊敬の意を心に秘めて、ギャラリーで、ゆっくり深呼吸をした。 ギャラリーの中は、撮影禁止だったため残念ながら写真はないが、壁一面隙間なく綺麗に並べられた絵画が展示してあり、本当に圧巻でした。言葉が出てこない…。心の奥に、ずっと消えない記憶。今回の旅は、バックパック1つで行ったので、お土産に本を買いすぎて、マリアンノースの分厚い本は残念ながら見送ることにしたが、やっぱり買えばよかった。 ちょうどロンドンも桜が満開の頃。日本でお花見ができなかった分、まさかロンドンでお花見ができると思わなくて、大変嬉しいお花見となった。私の頭の中の記憶として、一番記憶に残った花の旅。この日は憧れの場所に来れた幸せを、ずっと噛み締めていた。記念日。

  • すずらんのくつした

    2年ぶりにリニューアルをして登場するすずらんの靴下。2020年からリリースを始めて今回で4回目の生産となり、laceflowerの定番商品となりました。今回は、柄をリニューアル。どの角度から見てもうつくしい、パンツの裾から覗く姿、バレエシューズと合わせた姿、スニーカーに合わせた姿、etc どんな靴に合わせても靴下がうつくしく見えるよう考案。 機械は、前回同様にホールガーメント。ホールガーメントで作る贅沢な靴下。靴下の機械では編み出せない表現技法がこれでもかというほど、詰め込まれています。靴下の編み機で表現するとどうしても、凹凸感がなく、平面な柄表現しかできません。ホールガーメントだと、立体的な柄表現ができる。洋服のような、ニットのような編み地が作れる。また、シームレスなので、縫い目がどこにもなく、履き心地もとても良いのが特徴です。 素材には、綿とアクリルの強撚糸を使用。強撚糸とは、文字通り2本の糸を強く撚りをかけて1本の糸にすること。 強く撚ることによって、綺麗で光沢のある糸になり、またコードのようにとっても糸が強いので、生地も強度を増します。その為、全く穴が空きません。4.5年同じ靴下を履いていますが、一向に穴が空く気配がありません。 お気に入りで買った靴下を、長く履きたい。洋服のように、ニットのように、履くサマーニットのように作れたら、と思い、この素材を使用しました。天然繊維ももちろん素晴らしい。けど、時に強度や耐久性が必要となる消耗品の靴下は、長く使えるものであってほしい。なので、天然繊維も化学繊維も、どちらも靴下にとっては必要な素材だと思っています。 5月1日、すずらんの日。フランスでは男女問わずにすずらんの花を贈り合う日。贈った人も、贈られた人も、再び幸せが訪れると言われています。すずらんの靴下を履いて、再び幸せが訪れますように。願いを込めて。先日、お客さまへすずらんの靴下を新規お取引先様へ提案した際、靴下を手に取っていただいたときに、「お洋服みたい」と言って頂けたことがとっても嬉しかった。

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